第2話:天界への門、そしてプレハブ

「ヒャッホーー!! やった! 天界だあああ!!

これから俺の新たなる人生の一ページが始まるぜ!


おっと、両親に言わなきゃな。きっと心配するだろうし……。

でも、どんなに反対されても説得してみせる!」


俺はドキドキしながら、天界のホームステイの話を両親に切り出した。


父親は新聞をパタリと閉じると、あっさりこう言った。


「いいんじゃないか。若いうちはなんでも挑戦してみろ。」


母親は洗い物の手を止めて、首をかしげた。


「天界? 海外に留学みたいなもの? いいじゃない。頑張ってきなさい。」


……あれっ? 意外とあっさり……?


俺は拍子抜けしつつも、二人の前で胸を張った。


「う、うん。い、いってくるね!」


そして――。


天界の門を管理する《天界の門管理センター》。

高校を卒業して一か月後の、春真っ盛りの四月。

俺はそこにやってきた。


天界と地界――。

この二つの世界は百年前、俺たちの住む世界と繋がったと言われている。


《天界の門》《地界の門》と呼ばれる場所を通じて交流しているらしい。

でも、実際のところ、どんな交流があるのかは情報が少なくて謎だらけだ。


――その未知へのワクワクが、俺をここに連れてきた。


天界の門管理センター。

厳重な警備と重厚な建物……を想像してた俺の目の前にあったのは。


「……えっ。プレハブ?

こ、ここだよな……?」


しばらく入口で固まっていたら、中からヨレヨレのスーツを着た中年のおじさんが出てきた。


「君がホームステイ希望者の服部空斗くんだね?

私は管理センターの伊藤です。よろしく。

どうしたんだい? 微妙な顔をして。ああ、プレハブに驚いてるんだね?

いやーわかるよー。《天界の門管理センター》なんて大層な名前がついてるけど、やってる業務といえば――」


伊藤さんは、そこから延々しゃべり続けた。


「だいたい予算は少ないしさー、上は何にもわかってないんだよ!

書類だけ増えてさー、現場は疲弊するばっかりで――」


……そして俺は、三十分間、愚痴を聞かされる羽目になった。


心が折れそうだ……。


◆◆◆


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次回も空斗のドタバタ劇をお楽しみに!


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