天界にホームステイ! ~夢見た世界は泥まみれ~
空木 輝斗
第1話:天界ホームステイ大作戦!
百年前。異界のゲートが突然開き、この世界は『天界』と呼ばれる場所と繋がった。
天界の人々には白い羽が生えていて、まるで物語に出てくる天使みたいだって噂されてる。
そんな夢みたいな場所に、俺も行ってみたい――ずっとそう思ってた。
……現実を知るまでは。
「あー、楽して生きてえ! 夢と希望にあふれた生活送りてえ!」
俺の名前は、服部空斗(はっとりそらと)。
高校三年。将来の進路を決めろと言われ続けてるけど、正直ピンとこない。
自分に合う生き方を、絶賛模索中だ。
けど親はというと――
「変なこと言ってないで、真面目に将来を考えなさい!」
って怒鳴るばっかりで、俺の気持ちなんかちっともわかってくれない。
「俺は社会なんかに縛られないんだぁぁぁぁ!!」
そう、心に固く誓っていたのに――
そんな俺に、母親がある日突然、爆弾を落としてきた。
「浪人はダメよ。大学に行くなら学費は出すけど、自分探しのために家にいるなんて絶対ダメ! 働きなさい! 就職先が決まらなくても安心して。親戚の農家が人手欲しがってるから、そこに送り込むから!」
満面の笑顔が逆に怖すぎる。
(こ、このやろう……! なんで俺の考えてることがバレてんだ!? 先手打ってきやがった!)
俺は心の中で震えた。
「詰んだ……。勉強もしたくねえし、働きたくもねえ! ドキドキワクワクすることがしたいんだよぉぉぉ!」
でも、俺には秘策があった。
それは、ネットで偶然見つけた天界ホームステイの募集広告だ。
『天界でホームステイしたい人大募集!
ドキドキワクワクの天界体験!
生活支援も手厚くサポート!
毎月お小遣い支給あり!
募集人員:20歳以下の健康な男性 一名』
まるで俺のために書かれたような募集内容に、心臓がバクバクして、その場で速攻応募した。
――これが決まれば、一発逆転だ!!
ある日、俺は友達に自慢げに話した。
「俺さー、天界にホームステイ行くことにしたわ! いろんな経験積んでくるぜ!」
友達は、ぽかーんとした顔でこっちを見ていた。
「お前……天界ってマジか?」
「マジだって! ほら、これ見ろよ!」
俺は例の募集ページをスマホで見せた。
「……お前さぁ、これ詐欺じゃね?」
「えっ!?」
「連絡先っつっても『天界管理センター』って書いてあるだけでさ、住所も電話番号も書いてねーし! しかも注意事項に『質問は一切受け付けておりません』だぞ。どんだけ怪しいんだよ!」
「えっ……」
俺は冷や汗ダラダラでスマホを見直した。
確かに……なにも書いてない……。怪しすぎる……。
「い、いや、そんなことは……」
「しかもこれ、合格者にしか通知送らないって書いてあるじゃん。余計怪しいだろ。」
「そ、そうだよな……。こんな怪しいサイト、引っかかるやついないよな! 冗談冗談! ハハハハ!」
俺は無理やり笑ってごまかした。
数日後、進路指導の先生に呼び出された。
「服部。お前、進路どうするんだ? 天界に行くとか言ってるって話聞いたぞ。」
「や、やだなぁ先生! 冗談ですよ、冗談! 親戚がなんか事業やってて、そこ手伝おうかなーって思ってるだけっす! ベンチャーってやつですかね! ハハハハ!」
俺は笑って誤魔化すしかなかった。
そして、数か月後。周囲の痛い視線に耐えながら過ごしていた俺のもとに、一通の郵便が届いた。
それは天界ホームステイの当選通知だった。
「ヒャッホーー!! やった! 天界だあああ!!」
テンション爆上がりの俺は、新しい人生のスタートを夢見て叫んだ。
「これから俺の人生、マジで伝説になるぜ!!」
◆◆◆
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次回も空斗のドタバタ劇をお楽しみに!
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