第2話 赤ちゃんVS船酔いならぬ親父酔い?
気づいたら今日から何年も過ごす家にやってきていた。そして知らな男の人に抱かれていた。
(誰。このおじさん。)
「パパだよお。こんにちは。宗く〜ん」
むきっとした腕に抱えられて、じょりじょりの髭が近づいてくる。
(ぎゃあああああ。恐怖でしかない。目線が変わるとここまで恐怖なのか。)
「あそこが宗くんのスペースですからねえ⤴︎。」
俺は
木材で組まれた、長方形の中に、入れられる。今俺の持ち合わせている
-泣けない-
ということ。どうすればいいんだ。
詰みだ。
前世よく将棋をしていたが、前世のおじいちゃんが中々強くて、一度も勝てたことがなかった。最初の方は勝てそう…って思うけど、後半になると一気に畳み掛けられて負けるんだよな…
(な…なんだか…ね…ねむく)
気づいたら時間は3時間進んでいた。(時計情報)運が良くテレビが見える角度で見える位置だ。
(なになに…)
『学校占拠か…?生徒ら暴動』
って、アホくさいニュース。
(チャンネルを変えたい。チャンネルを変えたい。チャンネルを変えたい。おっと、なんだ?次のニュース面白そうってああ。)
CMだ。え?どうした?ACジャパンばっかりやん。どっか大きな災害でもあった?
(やっとCM明けた。ってあれ?な…なんだか…ね…ねむく)
わかった。俺は、考えすぎると眠くなるようだ。
(ってなんで…?なんで、親父の腕の中で揺られてるんだよ!酔うて酔うて吐くて、一回高校合格祝いでクルーズ線乗った時も吐いたもんな)
このリズムどこか懐かしい…。思い出せるあの笛と太鼓の音それって
(盆踊りじゃねえか。おい、カレンダーはまだ5月だぞ?)
これを今日から船酔いならぬ、親父酔いと定義することにする。
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