ない右手

「え」

 右手がない。


 さわり。


 手首がさらに消えた。

「どう、なって……」


 さわり、さらさら。


 腕が消えていく。

「あぁ、夢か」

 なら、いいか。

 その花は風にそよぐたび赤くなる。

 それにつれて、俺も失われていく。

「でも、なんかきもちよ」

 もうこのままでいい。

 そう思ったとき、彼女は現れた。

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