TRAVELER'Z NOTE PREQUEL P.o Mark Taica

Page.1 「ミッション、失敗、そして徴兵。」

ここは、ウーヌス王国の王都：ユニズ。俺は、マーク・タイカ。

そこで八百屋を営んでいるのが俺の家族だ。

「なぁ、父さん。明日は、何か特別なことがあるのか？」

「そうだぞ～。明日は国王様たちが来られるぞ。」

「国王様？この国の偉い人？」

「そうだ。今回はご家族も来られるそうだ。王女様は確かお前と同い年だったかな。」

「そうなんだ。なんか明日俺ができることはあるのか？」

「そうだな。明日新鮮なリンゴを渡すからそれを王女様に渡してくれるか？」

「わかった。それだけ？」

「そうだ、それだけで十分な仕事だ。」

「わかった。そうしたら明日の準備も含めてもう寝るよ。」

そう言って俺は自室に戻って眠りについた。

「おい、明日タイカにあの仕事をやらせるのはやはり重いんじゃないか・・・？」

「いや、でもそういう指示じゃないか・・・。成功したら大金が入るんだ。」

「でも・・・。・・・。そうだよね。」

次の日、朝起きると親や大人たちは慌ただしく仕事をしていた。

手伝おうと事務所に入ろうとすると止められた。

仕方なく店の入り口にいると謎のローブを着た女性が来た。

「すまない。店主はいるだろうか？」

「はい、ただいま呼んできます。」

父さんを呼んで父さんとその女性は店の奥に入っていった。

「じゃあ、みんな。知ってる通り、今日は国王様ら王家の方々が来られる。丁重にご案内をしていこう。」

『はい！』

「タイカ、王女様が来られたらこのリンゴを渡してくれ。ここに置いておくからこの赤色の一番強いものを渡すんだ。」

そういって、俺らは国王たちを待った。時間が迫っていた。

「ここが、王都有数の青果店か・・・。」

「ようこそいらっしゃいました。私たちの店の商品をぜひお召し上がりください。」

国王様たちはいろいろな野菜や果物を食べていた。

「どうした？エノ？何か食いたいものがあるのか？」

「はい、このリンゴをいただきたいのですが・・・？よろしいでしょうか？」

「あ！王女様！こちらのリンゴの方が赤いのでおいしいですよ？」

「そうなのですか？ですが私は。」

沈黙がしばらくの間続いた。すると、警備をしていた大男が俺のリンゴを受け取った。

そして、すぐに王家の方々は帰られた。

「父さん、ごめん。渡せなかった。食べてもらえなかった。」

「あぁ、いいんだ。仕方がない・・・。」

父さんは仕事に戻っていた。しばらくして店は閉まった。

夜も眠る前も親たちは話をしていた。

半年後、、、

「タイカ。国から徴兵の話が来たぞ？」

「徴兵？」

「国を守るために働くんだ。」

「いや、俺は・・・。」

「八百屋はお前が帰ってこれるようにしておくから頑張っていってくるんだ。」

「・・・。」

「わかった。頑張っていってこれるようにこの２つの大剣を渡す。ちょっと待ってろ。」

そういって父さんは店の奥に行ってから２本持ってきた。

「これは、火炎魔素の大剣【炎龍】、雷電魔素の大剣【雷龍】だ。」

「ありがとう。これを使って頑張って国を守って帰ってくる！」