愛し続けます
「なんで……」
シオンさんの固く閉ざされていた口が開かれる。
「なんで、ボクから離れないの……」
「はい?」
「勝手に居なくなるようなボクを今までずっと探してくれて……なんで……」
シオンさんの目元から涙がこぼれる。
「シオンさんが……好きだからです」
「え??」
「好きです。シオンさん」
僕はありのままに語る。
「去年、シオンさんに想いを打ち明けてもらった時正直になれなかった。今でも後悔してるんです。あの時、僕の本当の気持ちを伝えられていたら、素直になれたら、って」
無言のまま、僕の言葉に耳を傾けるシオンさん。
「もう、後悔したくないんです。自分の選択に」
「……」
「どう、でしょうか」
シオンさんは再び口を固く閉じる。
数分後シオンさんは口を開く
「わかんない」
「なにがですか?」
「もう、わかんないよ。ボクだって、ボクだって君のことが好きだ。一年間忘れようと忘れようと努力しても忘れられないくらい。でも、ボクは君とは違う」
「「幽霊」」
僕の予想通りの言葉を放つ。言葉を被せられたことに心底驚いている様子のシオンさん。
「言うと思いました。でも、関係ありますか?それ」
「一番重大じゃないか……君と抱き合ったってボクたちは触れ合うことが出来ない。君が感じているか分からないが、君のぬくもりだけがボクに伝わってくるんだ……。こんなに虚しく、悲しいことがあるか」
「確かに、僕たちは触れ合うことができません。でも、僕はシオンさんを愛し続けます」
おそらく驚きで微動だにしないシオンさん。僕は言葉を紡ぐ
「シオンさんの優しいぬくもりが好きだ。一見冷静そうに見えて、意外と子供心のあるシオンさんが好きだ。この一年で卑屈で、弱虫な僕を変えてしまったシオンさんが好きだ」
不格好でも、僕の心の内をさらけ出す。
「だから、シオンさん。僕と付き合ってください!」
────────────────
心の内を全てさらけ出した結衣。果たしてシオンの返答は……
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ツンデレウルフの幽霊さん〜霊感のある僕とツンデレ幽霊さんとのラブコメ〜 眠太郎 @Karupasunemu
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