第6話 『006 鍛冶師はテントで寝る』
『006 鍛冶師はテントで寝る』
肉を焼いて食べた後は、俺もソフィアもお腹がいっぱいになって、テントで寝るとして、クロエも満足な食事だったと言って、テントで寝る準備になった。
テントは広くて3人が横になれる広さは確保できて、ソフィア、クロエが俺の横に来て寝るとなるのだが、なぜ俺が真ん中なのかと聞くと、俺が真ん中が嫌なのとクロエに逆に質問されるので、俺はそれ以上は聞かずに寝るとした。
俺は女子に囲まれるのがいいのかという意味で質問したのだが、ソフィアはともかくクロエは別に気にしない感じだったので、あんがいクロエは男には無関心なのかと思うも、俺が男に思われていないだけかもしれない。
テントはダガーなどを売った金で購入でき、広さと雨も防げるし、購入して良かったとなって、魔族の国を出てから人族のロレッタ国へ来て、不安だらけだったが、エルフ族のクロエと出会って、何とか過ごせそうな気はしている。
町でダガーなどが売れたのが大きくて、少し自信がついた感じが自分の中に芽生えていて、鍛冶師として新たな人生をスタートし、やっていけそうな感じだ。
ソフィアは魔族時代と同じく、鍛冶師の助手と魔物の狩りをしてもらおうと思い、ソフィアは嫌がってないから助かる。
魔王様に追放されて、途方に暮れていたと思うから、追放された後に、あそこでソフィアが俺と一緒に人族の国に行くと言ってくれてのは本当に感謝で、一人だったら、いじけていたり、精神的に腐ってしまい、終わっていたと思う。
そこはソフィアが俺を助けてくれてと言って間違いない点で、明日からよろしくお願いしたいが、ソフィアはもう寝ていた。
俺も寝るとしたが、ソフィアとクロエに囲まれて寝れるだろうかと疑問に思ってしまうのは、俺が元が人間だから女に囲まれるのに、意識をしているのかだが、きっと寝るだろう。
だめだ、寝れない。
翌日はテントで目覚めて、朝ご飯にし、パンもあるし、肉も焼いて一緒に食べるとして、朝日がまぶしいのが気持ちいい。
魔族時代にも朝日は見ていたはずがだ、今の朝日は魔族時代と違った印象で、なぜか爽やかな光景に思えるのは不思議で、人族に変身して朝日なのだかろうか。
「タイチ様、今日の予定はどうしますか?」
「昨日はクロエに会って良かった。市場にも行けたし、ダガーも販売できた。今日はダガーなどを中心に鍛冶師の仕事をやろうと思うのは、売るものがないと金が稼げない」
「はい、私も見習いですし、手伝います」
「ソフィアは鍛冶師の仕事の見習いなのですか?」
「見習いです。タイチ様に教わっている状態です。タイチ様のようなアイテムを作るのは、私にはまだまだ無理ですね」
「なるほど、タイチとソフィアは師弟関係なのね」
「師匠ですよね、タイチ様」
「まあ、弟子ってことになってはいる」
「弟子の関係なのね。どういう関係なのか気にはなっていたんで」
「俺とソフィアは長く一緒にいる。ただし、ただし、変な関係じゃないから、そこは勘違いしないでくれ」
「疑ってしまうけど」
「私はタイチ様が鉄を打ったりしている作業を見ると、完全に体がドキドキしちゃうんです。今度見たらわかりますよ」
「鍛冶師の作業でドキドキですか。私はそもそも鍛冶師の仕事風景を見たことがないからな。見てみたい気もする」
「いいわよ、見せてあげます。ねえタイチ様、これから鍛冶を見せてあげましょうよクロエに」
「いいよ。持ってきたダガーなどは売ってしまったから作る必要があった、じゃあ準備をしようか。クロエは見ていてくれ」
ダガーなどはアイテムボックスで少し持って来ていて、鍛冶師の仕事道具類をアイテムボックスに収納して、ダガーなどを少々収納できて、アイテムボックスの限界になった。
アイテムボックスの限界がわかって、ボックスの中にはもう在庫はなくなったから、新たに生産しないと販売する品がないとなっていて、ソフィアと生産するとなった。
クロエは俺とソフィアとの関係を怪しんでいたらしく、男女の仲だと想像していたみたいで、そこは否定しておき、今後のこともあるし、ちゃんと違うぞと言っておいた。
だがクロエはやや俺を怪しんでいる風でもあるのは感じ取れて、鍛冶の風景を見たいというから、ちょうど生産するから、見てもらうとなった。
テントでは鍛冶の仕事をするのは無理なので、外で行うとして、アイテムボックスに入れた鍛冶の仕事道具一式を取り出すと、熱するための炉、急冷させる道具、他には鉄や素材を成形させるハンマーなども出した。
冷却はするのであるが、さいわいにもテントの近くには川があるんで、水には困らなくて済みそうだ。
鍛冶の仕事道具を並べてソフィアと作業に入るも、いつもは自宅にある作業場で生産していたから、屋外での作業は初めてとなり、まだ慣れていないが、すぐに慣れるだろう。
素材である鉄を高熱で溶かすところから開始して、高熱にするには俺の火魔法を使用して熱を与えることができ、鉄を溶かすと、武器や防具の形に成形する作業をする。
熱して成形したら、急激に冷却させると、冷えて輝きだして、完成させることができるものの、これは俺が特殊な鍛冶のスキルを持っているからで、普通の職人はもっと時間をかけて完成させる。
俺の場合は時間を短縮が可能だし、しかも成形した武器などは、四天王や魔王様が欲しいと言うほどの武器になっていたほどに、なにか特殊な効果があるらしい。
それで俺は魔王様の専属の鍛冶師になったわけで、それが元で大失敗して剣を折ってしまい、追放されるになったのは、クロエには内緒である。
ソフィアはこの作業を俺と共同作業をするのが仕事で、助手というか、大切な手伝いであって、俺が鉄をハンマーで叩くと、
「ああああ、いい、タイチ様。凄くいいです、あああああ」
いつもこうなる。
カーーーン。
カーーーン。
成形する音に反応しているのか、わからないが、目がとろんとしてきて、顔が赤くなってしまうところがあって、これを見たクロエはどう思うかだ。
「ソフィアはどうしてしまったんでしょうか?」
「私はタイチ様の鍛冶師の作業にメロメロです。もうしびれちゃう」
「あれ、ソフィアが変になっていますが」
「ああ、いつものことだ。クロエは気にしなくていい」
「いや、気にするなと言われても」
クロエはソフィアの異常な状態に大丈夫ですか的な感じで見守るも、俺としては構わずに作業を続けていき、ダガーを一本完成させる。
ダガーは武器の一種で、短いナイフのような形状をしていて、誰でも使用できる武器でもあり、女性でも簡単に使用できることから人気はありそうだ。
今回は鉄製で作ったから、耐久性はまずまずだろうし、もっと安い素材ならば、安いダガーも製品にでき、そこはどの素材を使うかによって、製品の質が変わる。
どんな武器と値段が売れるのかは、人族の町に初めて来たので、全く不明だから、これから調べるのを参考にしていきたい。
「速い! なんて速さなんだ。ダガーがこんな短時間で作れるものなのか」
「フフフ驚いたでしょ。これがタイチ様と私の共同作業なのよ」
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