資料6

【お客様のお声を承ります】


 店長さん。私は、店長さんの奥さまとよく顔を合わせるのですが、これは忠告です。あんな素敵な奥さまを悲しませるべきではありません。

 私は、職業柄、閉店間際にこの店を利用することが多いです。その時、お客の数はかなり少ないですし、店内では店長さん含めて2〜3名のスタッフが閉店作業をしておられますよね? その中に、いつも若い女性の店員さんを見かけます。なんの作業をするでもなく、暇そうにフラフラされています。

 もしかして、あの女の人は、店長さんのお気に入りなのですか? いわゆる愛人なのでしょうか? 疑わずにはいられないのです。

 だって、作業の手は足りているのに、わざわざ若い女性を閉店間際のシフトにするのって、その後で密会するのに好都合だからでしょう? と、邪推してしまいます。

 このことが奥さんの耳に入る前に、なんとかした方がいいと思います。


 ・店長からの返信


 いつも当店をご利用いただきありがとうございます。

 閉店時は最小2名で作業を行うため、私どもスタッフには「暇そうにフラフラしている」余裕がありません。いつも忙しなく作業に追われているため、お客様にはご不便をおかけしています。

 仮に、お客さまのおっしゃる「若い女性の店員」というのは、他のお客様をスタッフと見間違えたのではないでしょうか?

 たとえば、当店のスタッフはえんじ色のエプロンを着ておりますが、それに近い服装のお客様がいたのではないか。

 また、スタッフのプライバシーに関わるのではっきりしたことは申し上げられませんが、閉店時には私と40代の男性スタッフ2人が主に作業しております。

 偶に女性もおりますが、お客様の指摘するような外見的特徴には当てはまりません。

 以上です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る