躾
Rie
—絶頂と喪失 —
---
ねっとりと 迷いもなく這う
その指が わたしの深みへ 静かに潜る
甘く 鋭く
やわらかな場所を 噛み砕いたとき
羞恥が 奥で ひと跳ねした
滲み出す情欲を
あなたは 舌で 音もなく乱していく
その熱に わたしの呼吸は逸れ
息もできないほどに 発火する
縋るように あなたの腕を掴みながら
わたしは 小さく震え 小さく鳴く
弱さを晒すたび
あなたは いっそう残酷になる
——もうやめて…壊れちゃう
拒めば拒むほど
わたしの奥を 自分のものだと
刻み込むように
何度も突き上げてくる
わたしの中で 何かが砕け
理性が 飛び散っていく
わたしの世界は 音を失い
光も 色も 遠ざかってゆく
耳鳴りの奥、息は荒く
あなたに媚びる 声だけが 残った
——恥も涙も奪われたまま
壊れたわたしを まだ 躾けている—
快楽が狂気に変わるとき
女は いちばん美しい
---
躾 Rie @riyeandtea
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます