終章 パレードと褒美
女王陛下のパレードは、大歓声であった。
美しい衣装に青いアイシャドー。陛下は人々からの
その一角。
大衆に揉まれながら、彼女を
「ねえ、ラーリちゃん。どうして毒じゃないほうを選べたの?」
女王陛下を遠目に見て、衣装師ハピが
「香にくべたんです」
ラーリは人差し指をチッチと左右に振り、鼻を高くした。
「宝石を見分ける方法、その三。宝石はニオイで判別できます。
粉末にした
あの時、ラーリの投げつけた
彼女の説明に、ハピは神殿広場で買い食いしたラム串を思い出した。
「もう、心配させないでよ」
「ごめんなさい」
ラーリは友に向け、舌をペロリと出す。
「お
化粧の
ハピの表情が明らんだ。
ラーリは女王に視線を戻す。
女王陛下のアイシャドーは、ナイル川のように深く、エジプトの空のように広大だった。
パレードの熱気は、まだまだ冷めそうにない。
了
宮廷染料師ラーリは、知恵比べで負けません 冬野トモ @huyunotomo
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