【第五話】 猫耳ロリ、ピースして勝手に飯を食って消えました。
「……は?」
朝。
俺がギルド宿の部屋を開けると、そこには見慣れない少女がいた。
白い髪、猫耳フード、そして手に持ってるのは俺の朝飯のパン。
「もっぐもっぐ……うん、やっぱりユウトくんは雑な味がするねぇ」
「誰!?ていうかなんで俺の部屋にいる!?」
「え?昨日の森でピースしたじゃん。ストーキングは初めましてだけど、気づいてくれて嬉しかったにゃ♪」
「……ますます意味わからん」
少女は口いっぱいにパンを頬張りながら、ぴょんとベッドに座り直す。
「名前、言っておくね。ネネ・ルナフィリア。猫耳族の自称美少女ストーカーだよ」
「自称どころか実行済みじゃねえか……ってか、なんで俺を?」
「えっとねぇ……」
ネネは指をくるくると回してから、真顔で告げた。
「君、“裏の勇者”だから」
──時が止まったような気がした。
「……なんでそれを」
「秘密。でも、だいたいわかるよ。スライム倒したときも、魔力が変だった。模倣と適応、たぶん“遊戯模倣”でしょ?」
「お前……観察してたのか」
「ず〜っと。寝顔も、歩き方も、笑うタイミングも♥」
「こえぇよ!!」
ネネはくすくす笑って、机の上に置いていた俺のスキルメモを勝手に覗き込む。
「ふーん、次は『召喚系スキル』狙いなんだ。ふむふむ、やっぱり天才だね」
「返せってば!!」
もはや警戒する気力すら削がれるほどのマイペース。
だが、一瞬だけ──彼女の瞳が鋭く光った。
「ねぇ、ユウトくん。
……この世界の神様、まだ信用してる?」
「……は?」
「またね♪」
質問だけ残して、ネネは開けてもいな
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