くらくら

はるの

くらくら

朝ぼらけ。怠惰の郵送、ぬるま風。錆びた支柱は、老いた友で。


くらくら、酷い話。謂れない だからなんだと、開き直る人。


夏越の祓え。時化てるもので、落とした金も、泡銭。


茹だる頭。水盤の水、ぬるい水。ヒシャクが汲んだ、ぬるい水。



林檎飴。赤い赤い糸みたいな、隠しを求めて受け取ったのは 夏の暮れ。



夏に迷い。木陰に連れて、キスして今更、何を躊躇い 見つめんの。



見おろして、幼い影を、持つ目で求む、流れ星。 願った事は なんだって。



隠し事で、満ちた灰を、捨て掃いて。外の空気を、肺に満たして。



聞きたくないな、怖い話は。飴の蝋燭、消えていた火。灯せずともね、日は昇る。



ネジを回した。北極星は 渦巻いた。玩具が歌って、時は動いた。

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くらくら はるの @harunozarashi

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