31音のバラード。空虚のまま、私は今日も生きるよ。

ナツガタリ'25の勢いが凄いですね。
現在、このレビューを投稿する段階で、1746作品。
首を合計にしたら、どれだけという感じですが。

そのなかで、際立つ悲恋のバラード。失恋ソング7首をご紹介します。

シンプルに詠んでも、切なさ。それから過去を振り返ってしまう、忘れない愛しさ。そして常に付きまとう空虚さは、誰もがいつかは体験する「喪失」さとリンクするのと思います。


ちょっとだけ、作者様の作品を追いかけてきた者として、多分こうだろうなぁという解釈を勝手にレコメンド。


物理的にも、もう帰ってこない方を詠んだ歌だと思います。そう、境界線を跨いでしまった方の。虹の橋を渡ってしまった方への想いを紡いだ、そんなバラードだと思っています。

現実を咀嚼して。
受け止めて。

そして、当たり前の毎日が繰り返される。。
空虚でも。
いないことが当たり前になっても。

だから、生きている証として、音色を紡ぐ。言葉を詠む。
どの首も、たった一人を想って詠んだ首。多分、そうなんだろうと解釈しています。



「31音のバラード。空虚のまま、今日も生きるよ」
そんな声が聞こえそうな気がして。

それって。でも、誰もが抱えていることだと思うんですよね。大なり小なり。

忘れたい記憶、忘れたくない記憶。
後で、振り返ったら、愛しい記憶。
思い出そうとしたら、顔の輪郭がぼやけて。
風化することすら。

全部、抱きしめて。
そんな7首。それぞれ31音のバラード。





振り返られる貴方は、誰よりも美しいのよ――。