裏切と再生
Rie
―生きてるふりの、わたしへ―
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ねえ、知ってた?
わたしも あなたと
同じ土俵で 泳いでいたのよ
主人以外の男に抱かれ
背徳に濡れて 喉を仰け反らせながら
「いま、生きてる」と 確かめるの
教えてあげましょうか?
あなたよりずっと
感じたわ
やさしさも
嘘も
力任せの愛撫さえ
何も わたしを救えなかったけれど
あのひとの体温だけは
わたしを わたしに戻した
声も出せないほど
果てた夜があるの
あなたの知らない場所で
わたしは何度も 生まれ変わったのよ
それでも
今夜も 良妻の顔をして
あなたの隣で 眠るの
仮面のままで
夜の奥だけ
壊れたわたしが 息をする
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裏切と再生 Rie @riyeandtea
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