轟さんの悩み事的なアレ ②
「えっと、自分が
「俺と勝負しろっ!」
「なんで?」
「え?」
「ん?」
なんか、自分がなぜ勝負なんてしなくちゃいけないのかを聞いたら、目の前の探索者は返答に困ってしまったみたいだ。困ってしまってワンワンワワンかな?
そのまま探索者さんの横をスっと抜けて自分はダンジョンセンターから出ていった。
・
・
・
「てな事が今日あったよ」
「アレじゃない?
「泣かしてねーし!てか、
「なんで
「嘘だーっ!?あのオッサンが?」
「みたいだよ?ほら、探索者協会のホームページの情報にも乗ってる」
「あ、本当だ。
「カッチーンっ!!
そうか、
そんなオッサンを軽くあしらってしまったのは悪かったかな?
もう少し苦戦した体を装ってあげた方が良かったかな?
ま、いっか。あの時はオッサンにムカついたし。
それよりも、オッサンを負かしたことが何処から漏れたんだろうか?
そっちの方も気にした方がいいかな?
あー、自分はただダンジョンへ潜って平穏に探索したいだけなのに……
人生とはままならないものだとか言ってみる。
その翌日。
「あれが、
「山田の挑戦を速攻で断ったらしいぞ?」
「なんで?山田なんてガラが悪いだけのへなちょこだろ?」
「あの
「まぁ、見るからに子供だしな」
うざい。
非常にうざい。
ダンジョンセンターに入るなり勝手に耳に入ってくる雑音、また雑音。
無視したいのだが、『
直接自分にどうこうって事はないのだが、気分が悪いし、気が重くなってくる。
こういう事を避けるために普段から目立たないようにしてきたのに、全てはあのオッサンのせいだ。そうだ。そう考えないと自分の精神が持たない。
そして、自分がこうやってイライラしてたり、オッサンを探そうとするとオッサンは姿を見せない。野生の勘でも持ってんのかな?
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