ベテラン探索者 轟さん的なアレ③
「まずは一階層なんですけど、この階層で出てくるのはご存知、スライムです。
当然、スライムのことは知っているとは思いますが、おさらいしますと、
スライムの動きは遅いが核を潰さないと倒せません。
スライムの体液は強力な酸なので下手すると武器がダメになります。
スライムはその強力な酸を吐き出して攻撃して来ますので、防具で受けてもその防具が溶かされる恐れがあります。
スライムは天井や壁に潜んでいたりします。
スライムが天井から落ちてきて顔にでも落ちると呼吸困難になり、さらに酸で皮膚も溶かされるのでひどい火傷を負います。
多分、スライムが一番初心者を殺しているんじゃないかと思います。
ここまでで何か気になったことはありますか?」
自分なりに凄く頑張って講師役をしている気がする。
「えっと、今まで俺たちは石を投げて核を潰すようにしてたんだけど、もっと効率のいいやり方ってあったりするのか?」
タケシ?タカシ?どっちかの男性が聞いてきた。
「えぇ、もちろん。自分のやり方ではありますが、ありますよ。
では、実際にスライムを相手にしましょう。
スライムを探すコツはダンジョンの空気を感じて、スライムの気配を探ることです」
こっそりと魔力の波を広げてソナーのようにして、ついでに索敵魔法を使用する。
「え?ダンジョンの空気?」
「スライムの気配?」
「あ、こっちですね」
「本当に居た!」
失礼な。当然いるに決まってるじゃないか。
「スライムの体液が強力な酸なのは先ほど言いましたが、要はいくら体液が強力な酸だとしても、その酸に触れる前に斬ってしまえばいいんです」
そう言って自分の持つナイフでスライムの核ごとスライムを両断する。
「今、何した?」
「え?斬ったの?見えなかった」
「一瞬、手がブレなかったか?」
「で、スライムを倒すとこのように魔石が落ちるので、これを集めて換金ですね」
普通に拾って、腰のポーチに魔石を入れる。
流石に異空間収納魔法は不味いくらい分かっている。
「あ、ちなみにそこら辺に生えている雑草みたいな草は切り傷なんかに貼っておくと傷の治りが若干早まります」
流石にこの草がポーションの材料ですとは言えないが、これくらいは教えてもいいだろう。ヨモギとかドクダミとかの民間療法的な効果しかないけど、気休めにはなる。
その後、彼らにもスライムを相手してもらったが、誰も自分の斬撃を成功したものはいなかった。
ちなみに一緒について来ている
結構ムキになってやってたのが面白かったが、新人さんの分までやろうとしてたので後ろから殴って止めておいた。
オッサン、何やってんだよ。子供かっ!
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