ポーション的なアレ②

 〜side ダンジョンセンター受付のお姉さん〜


 さっきはびっくりした。

 普段から若めの探索者たちの相手をしているが、さっきの子はこの間探索者資格を取りましたってくらい若かった。あと、可愛らしい顔をしていて、今までは年下は遠慮していたが、私の中の新しい扉が開かれたかもしれない。


 いや、そんなことも些細なことになるのだが、さっきの少年はとんでもない数の魔石を納品して行った。魔石の大きさからして一層のスライムだろうけど、その数が尋常じゃなかった。

 私の経験上、スライム狩りは一日30いけば良い方で、どれだけ頑張っても50くらいなんだが、さっきの少年は150個の魔石を納品して行った。

 スライムの魔石は小さく、クズ魔石なんて呼ばれているが、買取価格は一つ100円。

 それが、150個だから1万五千円。

 営業用スマイルを貫いた私を誰か褒めて欲しい。そして抱きしめて欲しい。



〜side 一二三ひふみ


 帰りに駅でケーキを買ってにのまえさん家族と食後に食べた。

 二一にかは今日の稼ぎが1万円超えていたことに目が¥マークになっていた。

 スライムなんて、生命感知と魔力感知、索敵を使えば簡単に見つけられるのだが、それすらも知られていないのだろうか?

 二一にかには魔力の運用と使い方は教えているので二一にかも探索者になったらこれくらい稼げるだろう。


 そして隣の自宅に戻りこれから楽しい調合タイムだ。

 ダンジョンで採取した雑草みたいな薬草の葉っぱを細かくしてから擦り潰す。

 熱が入らないようにゆっくりと時間をかけて。

 魔力で作った水。魔力水を少しづつ加えていく。一滴、一滴とだ。


 難しくはないが、気を使う。最新の注意を払いながら草木の成長のように少しづつ少しづつ。

 最後に思いつきで少々のレモン汁と蜂蜜を入れて味見。


「うん。蜂蜜レモンの味だ」


 本来のポーションはすごく苦くて不味い。

 良薬口に苦なんちゃらだっけか?


 思いつきで入れてみたが、うまく行った。


 しかし、これを売りに出せば大騒ぎになるだろうし、せっかく作ったがこれらのポーションは自分用としてストックしておく。

 空間魔法を応用した異空間収納魔法を展開してポーションを保存しておく。

 この魔法は前世で教えてもらった空間魔法と今世のラノベやアニメから得た知識を使って自分が作った。

 詳しい理論は説明できないが、感覚派な自分はガーっとやってヒョイってやったら出来た。


 異空間の中は時間を止めることも個別に進める事も出来るし、中に何があるかの脳内リスト付き。検索機能も備えている。多分、人類全てが欲しがる魔法だろうな。


 教えてやらんけど。

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