悪者というレッテルは、時に関係性の薄い人にも容赦なく貼り付けられる
- ★★★ Excellent!!!
本作の「ママ」は、見方を変えれば、ただの事務員さんなわけです。
ただ勤め先が世間で槍玉にあがりやすく、そして殴る側も「決して殴り返してこない」という安心感があるからこそ、無責任に強い態度で殴りつけてくるわけで……。
そして、誰にでも家庭はあり、その中には血のつながりのある身近な人もいるわけで……。
なかなかセンシティブな部分に切り込んでいるだけに、一人の母親が抱えている物以上の薄暗く鬱屈したものを感じてしまいます。
そんな重たいものを、一話完結型でスパッとまとめ上げた本作は、なかなか見事に練られ、また一話以上の余韻を感じさせます。
是非とも本作をお目通しいただき、様々な思いを馳せてみてください。