私とAIと白い彼。
荻谷 晴彦
序章
場面は火曜日の深夜に遡る。
私は3日前の日曜日に車よりも自転車よりも手軽でコスパの良いキックボードが移動に便利だろうと思い、思い切ってAmazonで買った。
今ではこんなにも手軽に、クレジットカードでポチッと押せば買えてしまうんだ。とてつもない時代になったもんだ。
私は時代の流れを感じる。最も身近である平成時代は、ネットよりもテレフォンショッピングとかの方が主流だったと思う。気のせいだろうか。
ただ、私が時代に取り残された人なのかもしれないが、今は何事もなく使いこなせてるのだ。身に染みて素晴らしいと思う。
さて、話を戻すが火曜日辺りに届くとの事だったので、待ち遠しいに越したことはないのだが、その日に単発バイトを入れて、すっかり忘れてしまってた。
バイトに明け暮れ、束の間の休憩をとり、なにか玄関のポストに1枚の紙切れが入っている。私宛だ。
「不在票」の文字と、宛名が「Amazon」に気を取られる。しまった。やらかした。
しかし、宅配の人も深夜には来るわけもないので、急いでダイニングの机に置いて、スマホでQRコードを読み取った。
……明日、水曜日の、午前中。
選択ボタンを押し完了。ここでほっと一息をした。
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