ぷれぜんと
Rie
― 忘れないでね ―
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お越しくださって
本当に…… うれしゅうございます
窓の灯りを ひとつ 落として
声ではなく 吐息で名を呼びます
髪をほどいて
かすかにふれた指先に
あなたの熱が はらはらと
咲いてしまいました
この関係に
言葉など いらぬのでしょう
ひとつ ひとつ 脱がされてゆくたび
わたくしも だれかではなくなる
夜の帳が
肌の奥まで沈むころ
愛とは いけないことほど
やわらかく 深うございます
「帰りたくない」と
笑って言われた背中に
爪の痕 残してしまいました
わたくしの なにもかもで
罪の名を持つ
このぬくもりを
忘れないでいてくださいますか
……つぎにまた
お逢いできるその夜まで
灯りを絶やさず お待ちいたします
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ぷれぜんと Rie @riyeandtea
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