視える“縁”より、そばにいた君に恋をした〜“縁”が視える高校生と、恋に気づかせてくれた彼女との話〜

高校入学早々、勇気を振り絞って告白した──そして、見事に振られた。

恋に敗れたその帰り道。
ふとしたきっかけで、俺の左目に“人と物の縁”が視えるようになった。
右目は“物に宿る記憶”を映し出すようになっていて……なぜ、こんな力が俺に？

そんな不思議な力をきっかけに、落とし物探しの依頼を受けるようになった俺は、
数々の「忘れられた想い」と向き合いながら、
気づかないうちに、彼女──美作紗季子（みまさか・さきこ）と少しずつ距離を縮めていく。

視える“縁”に戸惑いながらも、
見えなかった“気持ち”に、少しずつ気づいていく。
これは、そんな高校生活の中で“本当の恋”に出会う、ちょっと不器用で、でも優しい物語。

視えるのは、線じゃない。
本当に大切だったのは、「そばにいてくれた君」だった。