“生きている”感触、短歌のしゅわしゅわ
- ★★★ Excellent!!!
まるで夏の午後にそっと差し出された冷たいソーダのような、やさしくて、どこか切ない短歌集。初海さんの〈炭酸〉は、日常の中に潜む少女の夢や痛み、淡い恋の記憶を、泡のように儚く描き出しています。
「しゅわ」「ぴりっ」と弾ける音が、心の奥で小さく鳴って、じんわり沁みてくる。強炭酸のような言葉の刺激と、抜けた炭酸のような虚ろさ。そのどちらも、確かに“生きている”感触として響いてきました。
読み終わった後、小さな泡が浮かび上がるはず🫧どうぞご堪能あれ。