言い訳メイドは修行中!

居ぬ犬

プロローグ:奇想天外なインテリア

現代は、メイドという職業が大流行中であった。

家事育児掃除…なんでもできるメイドが一家に一人は雇われている時代である。

メイドの需要が高まると、"メイド育成学校"なるものができた。

メイド育成学校は、文字通り、メイドとしてふさわしい人間を育てる学校である。

そこには、毎年メイドに憧れる大量の女性が入学していた…


さて、舞台は地方のメイド育成学校である、冥土院者判めいどいんじゃぱん学校。

ここには、ある"問題児"が入学していた。


先生「今日は、テレビ台掃除のテストです!」

  「ここにある様々なタイプのテレビ台を、完璧に綺麗にしてください!」

  「では、出席番号1〜5番の方!試験部屋A、B、C、D、Eにそれぞれ入ってください!」


しばらくして…


先生「試験終了!試験者は速やかに試験部屋から退室してください!」


〜採点〜

  「相川さんは…82点!丁寧に掃除できていますが、スピードが少し足りないようですね!」

  「その弱点を克服できれば、100点も夢ではないかもしれませんね!」


  「赤木さんは…75点!すみの掃除が少し甘いですね!」

  「もう少し細かいところまで意識が向けば最高です!」


  「上田さん、98点!素晴らしい仕事です!」

  「しかし、テレビ台を動かした後、戻すときに元の位置から少しズレてしまっています!」

  「この程度のズレで文句を言うご主人様はなかなかいませんが…」

  「カーペットの模様などの細かいところを目印にできれば、伝説のメイドを目指せます!」


  「そして…小野さん。」

  「かなりホコリが残っていますね。目に見えるところも。」

  「サッと乾拭からぶきをしただけでは?あまりにも雑すぎます。」

  「点数は、18てn」


小野「待ってください、先生!」

  「そ、それは、インテリア用のホコリです!」


先生「…は?」


小野「こ、このテレビ台たち、地味すぎます!」

  「もっと、こう、グラデーションというか!」

  「暗くてもいいから、色に種類がないと、ご主人様が退屈してしまいます!」

  「部屋に細かい彩りを、こう!なんというか…!」


先生「…18点は撤回します。」


小野(ホッ。なんとかなった…)


先生「小野。0点。放課後職員室に来なさい。」


小野「えっ」


小野あかね。彼女が冥土院者版学校に入学した、問題児である。

この物語は、トンデモ理論を振りかざす彼女の学園生活についての物語である。




先生ブチギレ中…


「そんな仕事でご主人様が満足すると思うのですかそもそもあなたは普段の授業態度から既におかしい居眠り落書き無駄話どうしてこの学校に来たのか私にはわかりませんいいですかメイドはまずご主人様に気に入られるところからです仕事と仕事態度でご主人の信頼を得るのですあなたのような態度では信用されるなど夢のまた夢あなたはメイドという仕事を舐めすぎですあなたは本当にメイドになりたいのですかやる気がないならこの学校を辞めてくださいあなた制服の着方も汚いし何より髪もボサボサではないですかたとえメイドを目指していなくともそこはしっかりするところですよあなたはメイドどころか人間としての自覚が足りないようですね髪を整えることができないなら整える必要のない髪型にしてあげましょうかこのバリカンであなたの頭を丸っとツルッとやってあげましょうか丸坊主のメイドは珍しいから物好きなご主人様なら契約してもらえるかもしれませんよまあすぐに契約破棄されるでしょうがねってあなたちゃんと聞いているのですかそんなダルそうな顔して自分のしでかしたことをわかっているのですかどうやら根性を叩き直すしかないようですねわかりました今日は学校に泊まりなさいみっちりと心構えについて授業してやりますよ小学校の範囲からね徹夜ですよ徹夜覚悟はいいですか私はできてますそれではもう今から始めてしまいましょう教室へどうぞマンツーマンつきっきりで相手してあげます」


小野「とてもつらい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る