第5話

 目が覚めると、目の前には見慣れた天井があった。アイツを刺した感触は、まだ手のひらにこびりついていた。なのに、鼓動は静かなまま。もっと…何か、激しい感情が湧くと思っていたのに。


 ベッドから飛び起きてリビングのテーブルを見てみるとそこにはあの白い空間にあった紙があった。

紙を見ると、やはり文字が浮かび上がってきた。


 目標達成ならず。2度目のループに入ります。

生前のご要望につき、失敗した世界線のその後をお教えします。


 佐藤麟太郎が三日間帰宅せず、心配した交際相手が警察に通報。捜索の結果、遺体は被害者の会社近くの川沿いで発見された。現場に残されたナイフから、伊藤亮太の指紋が検出され、本人は取り調べにて自供。


ただ殺すだけではタイムリープは終わらないようだ。次の案を試す前に何故この要望をしたのか、その理由を考よう。


 紙から再びゆっくりと文字が浮かび上がってきた。質問は、三つ。正しい問いを選んだ時のみ、答えをお伝えします。なるほど…何から片付けようか。

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