第4話 即死ダケ?
星野祐介
<基本ステータス>
体力 999999
攻撃力 999999
防御力 999999
知力 999999
魔力 999999
<スキル>
電撃耐性 Lv999
テンプレだが、祐介は念ずればステータスを確認することができる。
基本ステータスオールMax。
この能力の高さを恐れ、『ラース』の魔王は自爆した。ただし、実のところを言えば、祐介には実力がない。
地球での死後、『ラース』の山奥に召喚され置き去りにされた祐介は、あまりの空腹に耐え兼ねて毒々しいキノコを口にしてしまった。そのキノコは、あまりに見た目が毒々しく、人間はおろか、どんな動物も魔物も口にすることのない植物である。
祐介が、夢中でキノコを食べ続けていると誤って大木の下にぽっかり空いた巨大な洞穴に落ちてしまった。そこには同じキノコが群生していた。
結局、その洞穴で1ヶ月ほど過ごしたのだが、キノコを食べ続けた結果………。基本ステータスが最強になっていたのだった。
祐介が洞穴から脱出し、町にたどり着いたところで、魔王の手下に襲われている双子の王女と遭遇。彼女達を助けたことで、城下町に屋敷をもらい住んでいた。
ちなみに魔王の手下は、祐介に電撃を食らわせても効かないため彼を脅威と感じ、相討ち覚悟で最大火力の電撃を放ち死亡しただけだった。これにより、雷撃耐性を身につけた。
というわけで、祐介は洞穴から町への道中に遭遇したスライム以外、戦闘経験すらない。
よって、魔法もスキルも身に付いていないのだ。
ちなみに、『雷撃のキース』は双子がつけた。
その場で、祐介に惚れてしまった二人は、祐介と国の英雄を別人格にして会瀬を楽しみたかったそうだ。そのまま、滅んでしまったので、異世界とのやり取りは『雷撃のキース』で押し通すしかない。
『あ、あれは、あのキノコじゃないか!やったね。これなら何とかなるかもしれない。』
一応、毒味ということで、一つ食べてみた。
うん、これは甘い方のやつだ。このキノコ、見た目そっくりだが、微妙に味が違う。
よ~し。これを栽培すれば、勇者を増やせるな。社員増員で事業を軌道に乗せるぞ!
キノコや苗床になりそうな木々を採集し、一度、『ラース』の屋敷に持ち帰った。
「あ、祐介さん。お帰りなさい。」
「早かったわね。」
リリアとユリアが走りよって来る。
「ちょっと荷物置きに来ただけだよ。」
キノコを見せる。
「うげ。即死ダケじゃない。」
「なに、それ?」
「食べたら死んじゃうんですよ。」
「え?俺、このキノコのおかげで飢え死にしなかったんですけど。」
『能力も上がったんだよ。』と言おかと、何気なくステータスを見ると、防御力が10000減っていた………。
どういうことだろう。
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