翠と空と君に

黎明の桜霞

思い出を探していて 一番だと思うもの

もう一度見たいと思う あの景色は

ぼんやりとしか のこらなかった


遠くのどこかに君がいた 思い出したくても

その時わたしは君を 見ていただろうか

問い続けてしまうだけ


あの時のみどりは どんな光を見せてくれたのだろう

あの時の空は どんな色をそえてくれたのだろう


どんなにぼんやりしていても それが記憶

どんなに後悔していても それが思い出

二度と同じ景色を見ることはできない



あの水路をだどっていて なつかしいと思う

もう一度行きたいと思う あの場所は

記憶の中だけの世界


君と歩いたあの道は 今も輝やいている

君の中に輝やきは 写っているだろうか

また会うその日まで


いつかの翠は 君を思い出させてくれるのだろう

いつかの空は わたしに色をくれるのだろう


どんなに考えても それはわたし

どんなに願おうともも それは君

もう一度、君と「記憶」という名の

景色を見るまで


あの水路はひとつだけでいい

どんなにぼんやりしていても 変わらないままで



また翠と空と君に 会うその日まで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

翠と空と君に 黎明の桜霞 @oh_ka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ