箱の中で生きてきた少女が外の世界に
- ★★★ Excellent!!!
この物語は、呪いを背負い箱の中で生きてきた少女・常若さんの物語です
彼女は従者の青年・千種さんと契約結婚を結び、長く夢見てきた外の世界へ旅立ちます。
朝の光や風。土の匂い。それらを確かめるように彼女が一歩ずつ踏み出す姿は、読んでいて胸が熱くなります。そんな彼女に青年が差し伸べた手。その温かさは、まるで自分の手にも伝わってくるようでした。
禁を破ってまで誰かを助けに駆ける常若さん。その背に向けられた、千種さんの静かなまなざしがまた優しく、そして強く。読後にも二人のぬくもりが心に残り続けるようでした。
すてきな物語だと思いました。