拾われた少女に恋をした少年の運命。
- ★★★ Excellent!!!
どこか壊れた国家と、それでも人を求めてしまう感情の原風景。
「機能」で人が作られるこの世界で、“名前”がもたらしたものは祝福か、呪いか。
四宮家という権威ある家系、無慈悲な父、見守るようで距離をとる兄。
そんな中で、いのりと心弦の心が静かに結びついていく描写が美しい。
ポートを触れる場面の繊細な感情、そして頬を赤らめる瞬間──
恋とは何か、人間とは何かを考えさせられる珠玉のエピソードでした。