恐怖のサマーキャンプ

第25話 原因はあなただったのね...

「ところで小春、朝日は？」

　あ、そうだ。朝日の紹介をしていなかったね！　朝日こと惟光　朝日(これみつ　あさひ)は小春の彼氏だよ！　

　私の問いに小春は言葉を詰まらせた。

「えっと......それが...」

　困ったように小さく笑った小春に首を傾げると、洗面所のドアが勢いよく開いた。

ｶﾞﾝ

「「ひっ！！」」

「ヤッホー！　来てやったぜ！　って、どうした？」

　私とユウちゃんで手を繋いで、硬直していると、洗面所から顔を出した朝日が首を傾げた。いや、ヤッホーじゃないし。

「これはこれは、小春さんの彼氏である惟光さんではありませんか。お久しぶりですね」

　私がなにも言えないでいると、光瑠がすごく渋そうな顔をして、朝日に挨拶をした。朝日も光瑠の顔をみて「ゲッ！」と呟いて、苦虫を噛み潰したように顔を引き攣らせた。

「うわぁ、光瑠くん。久しぶりだね、まさか本当に来るとは思ってなかったよ」

　光瑠と朝日の会話を聞いて、隣にいた将太くんに小声で「何があったんだ？」と聞かれた。うーん、あまり大きな声で言えないし...

「まあ、色々と」

「そうか......」

　リビングが一気に静まり返った。どうしよう、何から言えばいいのやら。話題に困っていると、隣にいたユウちゃんが恐る恐ると、朝日に聞いた。

「と、ところであなたは？」

　そういえば、挨拶もしてなかったね。

　ユウちゃんの言葉に朝日が「あ」と言って自己紹介を始めた。

「俺は惟光　朝日(これみつ　あさひ)。小春や山吹、それから光瑠くんと同じ二年生です。このキャンプで途中参加をすることになって、何かサプライズがしたいなって思って、小春と一緒にみんなを驚かしてみることにしたんだぜ！」

　原因は朝日だったか。