春星高校のささやかな日常

丘野 境界

ささやかな自衛策

 木森家のリビング。

 ジリジリと夏の気配が近づく午後、扇風機の風が室内を巡っていた。

 その中心、ソファに寝転びながらスマホを眺めていたのは、木森家の長女、木森きもり一華いちかである。

 髪は明るいブラウン、ネイルもまつ毛もバッチリ。タンクトップにデニムショートパンツという軽やかな服装は、ギャルを自称する彼女には馴染みのスタイルだった。

 手元のスマホはキラキラと派手なデコ仕様で、ケースにはやたらとチャームがぶら下がっている。


「おおー、すごい」

「ちょっと一華、聞いてるの!?」


 ダイニングから聞こえたのは、母親の怒った声だった。

 だが、一華は全く意に介さず、スマホに見入っていた。


「でもママこれ見てよ。ウチの学校でマルカワのミステリ賞受賞者が出たんだって」


 画面には、春星高校の公式SNS、通称『春星スコープ』の記事がある。

 そこには、情報部の二年生・小野おの文那ふみなが『マルカワ新本格ミステリ賞』を受賞したというニュースが掲載されていた。

 情報部というのは、昨年度に定員不足で廃部寸前だった新聞部や放送部、文芸部などを統合して再構築された、今年からの新設クラブだ。

 妹の双菜もそこに所属している。

 確か、もともとは文芸部だったはずだ。


「え、ホント!? すごい……って誤魔化されないわよ! もう! 三年生にもなって、なんで字の汚さで先生から連絡が来るのよ! お母さん情けなくて涙ちょちょ切れるわ!」


 母が、一華のノートをテーブルに叩きつけるように広げた。

 そこには、黒いペンで書かれた――書かれているはずの――何かが、ミミズのようにうねっていた。


「出た、ママの涙ちょちょ切れ!」


 一華はケタケタと笑いながら、ソファの上で丸くなった。


「真面目な話よ! 本当もう何このノート! 先生の抗議も分かるわ!」

「読めればいいじゃん」

「読めないから言ってんの! 先生から書き直してって……あ、お帰りなさい双菜」


 玄関の扉が閉まる音。母が不意に振り返った。

 制服姿の妹、双菜ふたなが廊下に立っていた。

 彼女は小柄で眼鏡をかけ、黒髪のストレート。

 髪型も姿勢も控えめで、まるで歩くコケシ人形のような雰囲気だ。


「おかー。ってどしたの。何か元気ないじゃん」

「え……そ、そうかな」

「大丈夫? ご飯食べられる?」


 母がすぐに駆け寄る。


「ん、食べられるけど、ちょっと少なめにしてくれる……?」

「分かった。今、支度するわね。あと一華はちゃんと、読める字を書けるようになりなさい!」


 母が再び、ピシャリと指を差してきた。


「だから読めるってば」

「アンタだけ読めても意味ないんだってば! ちょっと双菜、これ読める?」

「……アラビア語?」


 双菜がノートを一目見て首をかしげる。

 一華は思わず苦笑い。母は頭を抱えている。


「一応日本語!」

「一応を付けるぐらいの慎みはあるのね。……双菜?」


 じっとノートを見つめていた双菜が、ふと顔を上げた。


「あ、ご飯食べる」


 そう言って、部屋に戻っていった。

 さっきより、ほんの少し足取りが軽く見えたのは――気のせいではない気がした。




 夜になって。


「お姉ちゃん」

「何?」


 二階の一華の部屋を、パジャマ姿の双菜がノックをしてから開けた。

 一華はというと、ベッドに寝転んだまま、ノースリーブのワンピースパジャマで動画を見ていた。


「ノートだけど、私が清書してもいい?」

「え、マジで!?」


 その言葉に、ベッドの上で起き上がる。

 面倒な書き直しから解放されるなら、願ったり叶ったりだ。


「でも、普通に読めないから、しばらくは翻訳がいる」


 まあ、それも仕方ない。

 自分で書いた本人でさえ、何を書いたか忘れることがあるレベルなのだから。


「んんー、ダルいなあ。でも、双菜の言うことも分かるし……録音したの送るから、それ聞いてやってくれる?」


 スマホは机の上。

 録音ぐらいなら、さほど手間でもない。

 とりあえず音声を送って、あとは任せればいいだろう。

 しかし、双菜は俯いたまま、小さく呟いた。


「スマホ、苦手……」


 そうだった。双菜はデジタルに弱い。

 情報部で原稿を書く時も、他の部員がノートパソコンのキーボードを叩く中、彼女だけは紙とペンで書いているらしい。


「今時、スマホが苦手だと世の中渡っていけないわよ。使い方は教えるから。せっかく持ってるんだから有効活用しないと、もったいないでしょ」

「ん。ノートだけだと分からないかもだから、教科書もあると助かる」

「了解。一気に渡しても処理しきれないと思うし、学校に置いてるのもあるし……ひとまず数学のノートとテキストでいい?」

「いい」


 一華は立ち上がり、部屋の棚からノートと教科書を取り出した。

 それを双菜に手渡すと、ニヤリと笑う。


「で。お礼は何がお望みで?」

「……プリンとか」


 恥ずかしそうに答える妹に、一華もクスッと笑った。


「分かった。適当にスイーツ見繕っとくわ」

「ん」


 双菜が静かに頷く。

 いつものように、コンビニスイーツを基本に、時々ちょっといいお店のプリンでも差し入れれば十分だろう。


「交渉成立。よろしく頼むわね、双菜」

「ん、おいしいプリン、期待してる」


 一華が差し出した手のひらに、双菜も小さな手でパンと応えた。


 ◇◇◇


 春星高校、翌日の昼休み。

 姉妹のやり取りは、一華の教室で行われていた。

 自分で持っていくと言ったのに、わざわざ双菜が取りに来るのだから、真面目さが服を着て歩いているようなものだ。


「じゃこれ、残りのノートとテキスト。頼んだわね」


 一華は自分の机から、ノートとテキストを数冊、重ねて渡した。

 双菜は少し不満げにその山を見つめ、それから一華を見上げてくる。

 いつもの無表情の奥に、わずかに責めるような色が浮かんでいた。


「……お姉ちゃん、授業で使う分まで渡しちゃダメ」

「駄目かー」


 やっぱり通じなかったか。

 結局、次の授業に必要な分を抜き出し、自分の手元に戻すことになった。


「大学受験も近いから、ちゃんとしないと」


 双菜のその一言に、ぐうの音も出なかった。


「アタシは追い詰められてからが、すごいのよ」

「追い詰められる前も、ちょっと勉強しといて」


 まったく、口調までママに似てきた双菜である。


「んんー、一華も双菜ちゃんには勝てないわねぇ」


 背後から聞こえてきたその声に、一華は条件反射で振り向いた。

 そこにいたのは、汐見しおみかえで

 一華の友人だ。

 制服のスカートをふわりと揺らし、髪を一つに束ねた軽やかな笑顔が、その存在を少しだけ油断ならないものにしていた。


「ちょっ、音もなしに現れないで」

「汐見先輩、こんにちは」


 双菜は、抱えたノートとテキストをそのままに、丁寧にお辞儀をした。


「はい、こんにちは。今日も双菜ちゃんが可愛い」


 そのまま楓は双菜を抱きしめてしまう。


「ウチの妹に、許可なくハグしないでもらえる!?」

「本人の許可があれば、許されるのよ。本人も嫌がってないじゃない。ねえ」

「答えにくい……」


 双菜の表情は、もはや悟りを開いていた。


「セクハラ親父の発言じゃん! いい加減、離れなさいよ」


 一華は無理やり双菜を楓の腕から引き離した。

 だが楓はどこ吹く風だ。


「お、何か騒がしいね?」


 ふと楓がそう呟くと、一華も耳をそばだてた。


「そんなこと言って誤魔化され……ホントだ」


 廊下の向こう側がざわついている。

 生徒たちに囲まれて、ひときわ注目を集めている少女がいた。

 前を歩く情報部員らしき生徒がマイクを握り、その後ろをゆっくりと歩いている。

 文学少女といえばそうかもしれないが、双菜のような静けさはなく、どこか舞台に立つ女優のような存在感があった。


「……」


 双菜も、黙ってその様子を眺めている。


「あー、小野さんか」


 楓の言葉に、一華は首を傾げる。


「はて、どっかで聞いたような」

「マルカワの新本格ミステリ賞で受賞した子」

「あー、春スコで読んだわ。アレかー。何かチャクガンテンがすごいとか、アイデアが素晴らしいとか、べた褒めだったヤツ」

「そうそれ」


 そんな中、双菜が一華の制服の裾を引っ張った。

 結構な強さだ。


「お姉ちゃん、録音のことだけど」

「う、うん」


 差し出されたスマホは、使い慣れていないせいか妙に新品同様だった。


「削除方法も教えて」

「アタシの声、もしかして嫌い!?」


 一華はちょっとだけ傷ついた。


「そうじゃないけど、記録を残しとくないから」

「え、な、何で?」


 聞き返そうとしたその時、またしても楓が割り込んできた。


「録音って、何のこと?」

「このノートの清書を、双菜がやってくれんの。でもこのままだと読めないし、まずはアタシが音読するって……ちょ、何よその目は」


 ジトッとした目線が突き刺さる。


「双菜ちゃんに何させてんのよって目」


 チベットスナギツネの目であった。


「双菜から提案してきたことだし、ちゃんとお礼だってするからいいのよ!」

「双菜ちゃん、一華の言ってる事って、ホント?」

「本当、です」

「なら許す」


 楓は腕を組んで、力強く頷いた。

 なんなんだその権限。


「楓がナニサマすぎる……まあ、とにかく、記録は残したくないのね?」

「家のパソコンとかならいいけど……スマホの中には、ちょっと。それに一回聞いたら、大体憶えられるし」


 記憶力だけは、昔からよかった。


「ふーん、まあいいわ。やり方は簡単だから、教えとく」

「ん」


 双菜は手帳を開き、一華の説明を逐一書き写していく。

 本当に、紙とペンの方が性に合っているのだろう。

 その間、楓が好奇心のままノートを覗いていた。


「それにしても、本当にこれ、わたし達が使ってるのと同じ日本語?」

「失礼ね! れっきとした日本語よ!」

「でも私も最初、アラビア語と思った」

「双菜が敵に!」


 家での発言を思い出しながら、一華は肩を落とす。


「あっはは、でもそう思われてもしょうがないわよ。これ読めって言う方が無理でしょ」

「でも、慣れると書く分には早そう」


 双菜がそう言うと、一華は指を突き出して叫んだ。


「そう、まさにそれよ! それがアタシの文字の最大の長所!」

「そして本人以外が読めないのが、最大の短所」

「それは言わない!」


 盛大にツッコミながら、一華は今日もにぎやかに、妹と友人に囲まれていた。


 ◇◇◇


 木森家。

 一学期期末試験前、休日の朝方。

 二階の廊下には、リラックスした私服姿の姉妹がいた。

 一華はタンクトップに薄手のシャツを羽織り、ショートパンツ。

 双菜は白いTシャツに紺のロングスカートという、ゆるめの格好だ。


「お姉ちゃん、これ、新しい現国の分」


 双菜から手渡されたノートを、一華はその場で開いてみる。

 ミミズ文字だった自分のノートが、まるで別物のように整った文字で清書されていた。

 しかも、双菜なりに注釈まで加えられている。


「おぉー、ありがとね双菜。マジ感謝だわ! そうだ、ちょっと待ってて」


 一華は自室に戻ると、机の引き出しから小さな封筒を取り出して再び廊下へと戻ってきた。

 そしてそれを、双菜に差し出す。


「これ、謎解きゲームだっけ? それの参加チケット。友達と行っといで。アタシも行きたかったんだけど、予定が詰まっててさ」


 チケットは、天河市の商業施設『リバベル天河』内で開催されているイベントのもの。

 ミステリ作家が監修していると聞いて、一華も気にはなっていたが、どうにもタイミングが合わなかった。


「いいの?」

「よくなかったら渡さないでしょ。それに毎回スイーツばかりでも芸がないからね。感謝してもいいのよ?」

「ん、感謝してる……あ、でも」


 少し嬉しそうな顔のまま、双菜が一華を見上げて口を開く。


「何? 双菜も予定があった?」

「そうじゃなくて、お姉ちゃんの文字のことだけど、読める字も練習しといた方がいいと思う」


 まさかのダメ出しだった。


「……自分の名前ぐらいは、大丈夫のつもりよ? 大学の受験もマークシート方式だと思うし」


 一華なりの自信はある。答案用紙に名前を書く程度なら、ちゃんと読める字で書いている。

 とはいえ、春星高校の試験は手書きが基本。

 たまに先生から文句を言われるが、ギリギリ読めている……はずだ。

 だが双菜は、首を振った。


「それ。最近だとカンニング対策で、手書きが増えてるから、お姉ちゃんの志望校ももしかしたら、そうなるかも」

「げ、マジ?」

「マークシート方式なら、それでいいと思うけど……ウチの学校の先生ほど、甘くないと思うし……」


 あくまで噂レベルの話とはいえ、現実になった時、今のままの一華の筆跡では不安が残る。


「カーッ! そっかー。さすがに入試で読めない文章は通らないだろうし、しょうがないかー……。分かった。双菜がそういうなら、練習しとく。アドバイス受けといて、当日シクるとかダサすぎるもんね」


 その言葉を聞いた瞬間、階段の方から顔を出していた母親と双菜が、まるで示し合わせたようにグッと親指を立て、視線を交わしていた。


「ママの策略に乗った訳じゃないかね!」


 一応、最後の抵抗をしてみる一華であった。


 ◇◇◇


 時は流れて九月の半ば。

 春星高校三年生の教室。

 放課後の教室は、人の気配もまばらで、静かだった。

 一華は自分の席に座り、ノートを開いて清書していた。

 双菜に任せている分もあるが、自分の悪筆を矯正するために、受験対策としてあえて手を動かしているのだ。

 面倒ではあるが、これが意外と復習になり、地味に成績が上がっていた。

 そんな中、隣の席で汐見楓がスマホを片手に、もう一方の手で紙パックのコーヒーを飲みながら言った。


「そういえばさー」

「何さ」


 一華は手を止めずに答える。楓の話に合わせるほどの余裕はないが、気にはなる。


「小野さんが大変なんだって」


 オノ? 一華の手が止まった。


「誰……?」

「ありゃ、忘れちゃった? ミステリ大賞で受賞した、双菜ちゃんの部活の先輩」


 小野文那。

 名前だけは、どこかで聞いたことがあるような気がした。


「あー……そういえば、そんな話もあったっけ。大変って何?」

「もうすぐ春高祭でしょ。で、元文芸部員は毎年文集作ってたんだけど、小野さんの原稿できてないんだって」

「……受賞した方の、次の作品で忙しいとか?」


 一華はその作品を読んだことがない。

 出版社が関わっているのなら、そちらを優先するのも分かる気がする。

 しかし楓は首を振った。


「そっちも行き詰まってるみたい。新作のアイデアが出ないとかかんとか」


 要するに、筆が止まっているということか。


「へー。まあ、そういうこともあるんじゃない? 期待からのプレッシャーとかさ。知らないけど」


 一華には小説を書く習慣がない。

 その辺りの感覚は、妹の双菜のほうが分かるのだろう。


「わたしも知んない。あ、双菜ちゃんはもう原稿完成したんだって?」


 楓がスマホを操作しながら、ポツリと呟いた。


「何でアタシより先に知ってんのよ」

「え、レインで友達申請してるし?」


 楓はスマホの画面をこちらに向けて見せてきた。

 そこには、双菜とのやりとりが映っている。


「アタシもしてるけど、聞いてないんだけど!?」


 一華は思わず立ち上がった。


「今、送られて来た内容だからねえ。春高祭の話の流れだったから、一華だって聞けば教えてくれるでしょ。というか妹の私生活全部知ってたら、それはそれで重くない?」

「まあ、それはそうなんだけど」


 納得して、一華は席に戻った。


「で、パソコンの使い方も教えたって?」


 楓の問いに、一華は白い目を向ける。


「アタシの方のプライベートが、何か流れてない?」

「ふふふ、木森姉妹の私生活を、わたしが握っているのであった。で、何で双菜ちゃんにパソコン?」

「アタシだけ悪筆矯正とか不公平じゃん。そもそもアタシこれ、悪筆とは思ってないし。あ、最近一本指打法は脱却したみたいよ」


 双菜が最初にパソコンに触った時、キーボードであいうえおを打つのにさえ時間がかかっていたことを思い出す。

 一華から見ても、その進歩は目覚ましかった。

 楓が、清書前の一華のノートを指差した。


「いや、百人中九十九人は悪筆だって言うよ、それ。最後の一人は一華ね」


 一華はツッコミを無視して、話を戻す。


「真面目な話、小説書くのが趣味な双菜なら、ブラインドタッチは憶えといて損はないでしょ。それに、小説の発表の場もリアルだけじゃないって教えたかったし」

「ネット小説?」

「そ。今どハマり中。アイデアがすごく湧き出てるらしくて……っとこっちにもレイン来たわ。帰りに百均で手帳ね。アイデア手帳、また一つ使い切ったか」


 スマホに通知が届いた。

 一華のスマホにも、双菜からの買い物メモが届いていた。


「そんなに」

「そんなに」


 楓の反応に、一華はそのまま返す。

 手帳の指定は特になく、サイズさえ合えば良いようだ。

 双菜の自己申告によると、既に手帳がいくつも溜まってきているようだった。

 ただし、その中身は他人には読めない。

 速さを優先した悪筆で書かれているため、もはや解読困難だった。


「悪筆アイデア手帳……」


 楓がぼそりと呟く。


「人聞き悪いわね。まあ実際、アタシと双菜以外、読めないでしょうけど」


 あ、そうだ。

 思い出して、一華はスクールバッグのポケットからチケットを取り出した。


「何それ」

「ムンフロのチケット」


 海外資本の大手コーヒーチェーン店、ムーンフロントカフェ。

 略してムンフロ。その商品券である。

 百均もムンフロも、リバベル天河のテナントに入っている。

 買い物ついでに寄るにはちょうどいい。


「双菜からのお礼だって。特に何かした憶えないんだけどねー。『セキュリティ強化のお礼』ってどういうことだろ」

「そういや双菜ちゃん、どこで書いてんの? 『小説家にならん?』? 『カケヨメ』?」


 楓が大手のweb小説投稿サイトをいくつか挙げていく。


「『カケヨメ』。ジャンルは当然――」

「ミステリ」


 楓がスマホを操作し、その指を止めた。

 そして唸る。


「……このダントツ一位のダブルサラダ先生ってこれ、双菜ちゃんだよね。春高祭の文集、伝説になるかもしれないから双菜ちゃんに取り置き頼んどくわ」


 一華は、妹の作品の反応が気になり、スマホで感想を流し見してみた。

 作品自体は家に帰って、じっくり読もう。


「『着眼点がすごい』『アイデアが素晴らしい』……はて、どっかで目にしたような感想ね」

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