虚無的啓蒙の文章

第1話

人の努力を笑うことは、別に罰せられるべきことではない。ただ、その先にあるものが、全ての事象、その人間の行動の一切に関係せず、その感情そのものを嘲笑すると言うだけなのだ。これは、啓蒙ではない。であれば、これは人生観である。私が人を殺めても、人を癒しても、私があなたを傷つけても、全ては人間風情の営みでしかなく、それ以上でも、それ以下でもないということ。そしてその営みは、その全てが、誰かに読まれる運命にあること。ただその純然たる事実が、それのみが私の人生への価値観の根幹であるということ。そしてこれを否定することは、全ての人間に嘲笑されるべきことだと言うこと。それだけの現実である。