人の命とはなんだろう。とてもきれいな物語です。

絵画魔術を宿す娘・ルリと伯爵ジークフリートの物語。

他の方も指摘されてますが非常に美しい文章で綴られています。叙情的な比喩を多用しており、読むものを陶酔の境地に誘います。

ジークフリートとルリが結ばれるにあたって、年上すぎることにたいするジークフリートの悩み、ルリの年下の女としての悩みなどが丁寧に綴られていて大変どきどきしました。
このじれじれした二人がどう結ばれていくのか……
物語展開も上品で、激しく緩急がつくというものではなく、じわじわと進んでいく感じがまた良いのです。

クライマックスは大変壮大な話になっていて気付けば泣いてしまっていました……。

人の命とはなんだろう。
そう思わせる作品でございました。良い読書体験でした!

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