旧⚫︎藩における時空間異常について
弓長さよ李
まえがき
※当該文書は、現在行方不明のとある学生が卒業論文に向けて収集・作成していたものです。
原則として、PCに保存されていた順に沿って掲載させていただきます。
また、公開にあたっては一部伏せ字を用いています。
↓以下本文
⚫︎郡は霜積町、日見見町、二馬憩町、水留村の三町一村から構成される⚫︎⚫︎県の郡である。
筆者の生まれ育ったこの地は明治時代の廃藩置県によって周辺地域とともに⚫︎⚫︎県に統合されるまで、⚫︎藩と呼ばれていた。
石高わずか6000石の小藩ながら、南は海に面し、北と東には活火山が連なるこの藩は、豊かな海産資源と温泉に恵まれ、港町や貿易港、宿場町として大いに栄えた。
現在は一般に観光地として知られており、夏には海水浴、秋冬には温泉巡りや似火祭りの見物、最近では音楽フェスが開かれることも多いのでそれを目当てに足を運ぶ方も多いだろう。
その一方、⚫︎は怪談・奇譚が多く伝えられる地である。その大半は⚫︎藩時代、すなわち江戸時代に残されたものだ。
幼少期、筆者は祖父母からそれらの怪異譚を聞かされ、恐怖と同時に強い高揚感を抱いた。
そこには当時を生きた人々の生々しい恐れと不安、そしてそれらを飲み込んで生きる強かさが根付いているように感じられたからだ。
本レポートは、旧⚫︎藩の怪異譚を紹介し、観光名所の影に隠れた「もう一つの魅力」を広く知っていただくことを目的としたものである。
⚫︎の歴史と文化、その裏側にあった人々の恐怖心に少しでも思いを馳せていただけたなら、これほど嬉しいことはない。
このレポートを読み、旧⚫︎藩に興味を持たれた方はこの機会にぜひ、ご自身でも⚫︎藩のことを調べ、⚫︎藩について考えてみていただきたい。
(最終更新 2018/7/14)
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