転生勇者、通販も使って無双する

なぎさセツナ

第1話 異世界転生

(菊池 凪沙)

通販って便利だよなぁ〜。

国内だけでなく、海外からも取り寄せられるし。



菊池 凪沙、ホワイト企業に勤める通販大好きベビーユーザーの男である。

名前からよく女と間違えられるが。

よく、菊=アナル=アナル大好き変態という覚え方でいじられて、間違いを回避される事が思春期からの定番だった。

まぁ、アナルを弄られるのは大好きだったが(笑)


(菊池 凪沙)

ホワイト企業に勤めたけど、やっぱ通販やよね。

店で買うのも良いけど、通販の方が種類が多いし、信頼できて常連になれば、ポイントも付いてお得だしね。

サイズが分かっていれば、通販で充分だしな。

店に行くのは100均ぐらいやし。

消費税で110円やけど。


  

今や通販サイトもイッセン、ソシール、イマゾン、イクテン、イフーとシノギを削っている。

淫ナイト、セピアン、セピキュリアン、ワールドエンドなどのRー18通販サイトまである。


(菊池 凪沙)

今日は何か届いてるかな?



スマホでメールをチェックしていた凪沙。

そこへ暴走車が突っ込んで来た。


(菊池 凪沙)

えっ?



暴走車は凪沙にぶつかったまま、コンビに突っ込み、棚を薙ぎ倒して壁を突き破り止まった。

凪沙はやっと、車から道へ解放されたが、そこへ10tトラックが突っ込んで来た。

トラックはフルブレーキをかけたが間に合わず、凪沙を轢いた。

もはやここまでくれば、即死である。


(菊池 凪沙)

ううっ……



また生きている?嘘でしょ?


(菊池 凪沙)

今日、白濁ローションとカチューシャ付きクラッシックメイド服、アナルロングディルドが届くのに……



凪沙、お前、何買ってんだ?

これ、置き配指定だぞ?


(菊池 凪沙)

バニーガールも巫女服もチャイナドレスも中世貴族ドレスもあるのに……



お前の部屋、遺品整理入るぞ、どうすんだよ。


(菊池 凪沙)

ふたなり嫁タペストリーも、裸エプロンメイドタペストリーも狐耳嫁のタペストリーも……

もう、ただいま言えないのかな……



それ、今、思う事か?


(菊池 凪沙)

狼獣人のにゃーたんと狐獣人のコン吉の抱き枕で挟まれて癒されて寝てたのに……



おい……

這いつくばって、トラックの下から出ようとするが……



(菊池 凪沙)

かっ、身体が軽い……



振り返ると、上半身と下半身が分かれていた。

しかも、下半身はぐちゃぐちゃにすり潰されていた。


(菊池 凪沙)

何も言えねぇ〜!!



そこで名言が出ることが凄ぇ〜わ(ため息)


(通行人:男)

おい、大丈夫……じゃないな、流石に……


(通行人:女)

誰か早く救急車呼んで!!



トラックの下から手が出てきた。


(通行人:男)

おい!まだ生きてるぞ、早く引っ張り出せ!!


(通行人:女)

いっ、嫌ああぁぁぁっ!!(叫ぶ)



上半身だけの凪沙が這い出てきた。

救急車が駆けつけたが……


(救急隊員:女)

こっ、これは……


(救急隊員:男)

早く運ぶぞ!



しかし、受け入れ病院が見つからない。

こうなると、どこの病院でも良いってわけにはいかない。

高度な医療技術のある病院でないと助からない。

というか、まず、助かるのか?この状態で。

なかなか見つからない受け入れ病院。


(菊池 凪沙)

通販……通販……通販……通販……


(救急隊員:男)

喋っちゃダメだ。


(菊池 凪沙)

だって、今日、通販したのが届くんだ。


(救急隊員:男)

分かった、だから、喋っちゃダメだ。


(菊池 凪沙)

だって、夢にまでみた本格的なメイド服が届くんだよ。

なんちゃってコスプレメイド服じゃなくて(涙目)


(救急隊員:男)

・・・は?


(救急隊員:女)

もう病院探すのやめましょうか?(ため息)


(救急隊員:男)

そういうわけにはいかん!探せ!


(菊池 凪沙)

通販、通販、通販、通販……


(救急隊員:男)

分かったから黙ってくれ。



結局、5時間かけて受け入れ病院を見つけたが、100km以上離れた高度医療専門病院しか見つからず、そこまで救急搬送する事になった。

手術の為、麻酔で眠らせるまで凪沙は"通販が……"と言い続けた。


(執刀医:男)

何がそこまでさせるんだ?


(医師:女)

もはや執念ですよ、こんな状態ですよ?


(執刀医:男)

ここを見つけるのに5時間、100km以上離れてたんだろ?



呆れながら手術を進める医師達。

まさかの手術成功、しかし……


(執刀医:男)

まさか、成功するとはな(驚)


(医師:女)

しかし、今夜が山場ですよ。



そうして凪沙は流石に息を引き取った。

2年後に(は?)


(主治医:女)

ここまでもつとは……


(看護師:女)

手術で麻酔で眠るまで"通販が……"って言ってたそうですし。


(主治医:女)

凄い執念だね。

では、親族に連絡を、誰も来なかったなぁ……


(看護師:女)

親族は全員亡くなっていて、天涯孤独です。

手術や山場と言われた時に探したんですが。


(主治医:女)

親戚も?


(看護師:女)

ええ、両親、親戚はすでに他界、ひとりっ子で従姉妹も居ません。

まだ若いですから、後見人も居ませんし。


(主治医:女)

じゃあ、役所に連絡だな。


(看護師:女)

そうですね。



凪沙の遺体は役所が引き取り、埋葬された。

その頃、というか、もっと前。


(菊池 凪沙)

うーん……ここどこだ?

まぁいいや、通販、通販っと。

おっ!届いてる!

宅配ボックスやな。

69番の072……69?

そんなにあったか?宅配ボックス……



周りを見渡す凪沙。


(菊池 凪沙)

異世界?まぁ、あれじゃあ死ぬわな。

って事は通販は……

いや、待てよ、スマホが使えるって事は、番号を押してみるとか。



凪沙はスマホで、072と押してみる。


(菊池 凪沙)

やっぱ、何も起こらないか……

じゃあ(笑)



凪沙は69*072と押してみる。

足元に箱が現れた。


(菊池 凪沙)

おいおいおいおい。



箱を開けると、注文した品が全部入っていた。


(菊池 凪沙)

まさか、通販は届く?

マジか。

じゃあ……



凪沙は食料を頼んだ。


(菊池 凪沙)

えーっと、あるじゃん。

中吉家の牛丼、特特盛、おしんこ、卵2、紅生姜、烏龍茶と。



地面が光り、出来立てが届いた。


(菊池 凪沙)

ひゃっほー、使えるやん(嬉)

味は?



早速食べる凪沙。


(菊池 凪沙)

うーん、いつもの味、美味い!



全部完食してから、今後を考える。


(菊池 凪沙)

これありゃ生きていけるやん!

で、この世界を調べるか。

 【インデックス】

なんちゃって。



凪沙の目の前に画面が現れ、表示される。


(菊池 凪沙)

まるでラノベやん。

魔法使える!やったぁ〜!!

えーっと、ステータスは?



そこには、もはやチートと言われる表示がされていた。

そしてスキルの最後に、"無限通販"と"不老"と表示があった。


(菊池 凪沙)

やっほー!もはや無双やん!俺TSUEEEEやん!(嬉)

ん?



性別のところが"ふたなり"と書いてあった。


(菊池 凪沙)

"ふたなり"?



凪沙は自分の身体を調べる。

そういえば、胸がある、ちん●もある、で、マン●もあった。


(菊池 凪沙)

やったぁ〜!!最高やん!!夢にまでみた"ふたなり"!

念願叶った!異世界転生、最高!!



それから今後の事を考える。


(菊池 凪沙)

"無限通販"があるなら商売が出来る!

チートなら、冒険者も出来る!

もはや無双!!

文明水準が中世ヨーロッパレベルで、開発発展で一儲けも可能やけど、面倒くさいか……

自分の為に使えば良いか。

で、帝国ね、クラン帝国か、皇帝は女帝かシリアル・クランね。

えーっと、1年が12ヶ月で360日。

1ヶ月は30日で1日が24間?間って言うんだ。

年は年、日は"の日"?って事は15日は15の日って言うんだ、なるほどなぁ……

通貨は、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨。

100刻みで変わるんか。



大体の情報を頭に入れた凪沙だった。


(菊池 凪沙)

まぁ、異世界の定番、街へ行って冒険者ギルド。

冒険者登録で、身分証明書発行やね。



凪沙はEVスクーターを通販して街に向かった。

街に着くと……


(菊池 凪沙)

だよな、要るわな。

 【隠密】


 

凪沙は門を通過する為に姿を消した。


(菊池 凪沙)

さてと、ギルド、ギルド。



凪沙はギルドに到着する。


(菊池 凪沙)

あれ?"冒険者ギルド"じゃない?単なる"ギルド"?

まぁいいや、入ってみよ。



中に入る凪沙。

受付っぽい所へ行き……


(菊池 凪沙)

あのぅ、登録したいんですが。


(ギルド受付:女)

はい、ようこそギルドへ。

登録は冒険者ですか?商人ですか?


(菊池 凪沙)

えーっと、両方ってできます?


(ギルド受付:女)

両方ですね、可能です。

そういう方も居ますから。

冒険者でも、素材の売買を直接する場合は商人ギルドの登録が必要ですから。


(菊池 凪沙)

じゃあ、両方で。


(ギルド受付:女)

分かりました、では、この用紙に記入してください。



凪沙は用紙に記入し、受付に持って行く。

適当に誤魔化して書いておいた。


(ギルド受付:女)

では、魔力と属性をチェックします。



凪沙は誤魔化した記入に合わせて数字を調整したのだが……


(ギルド受付:女)

凄いです!これだと赤ランクです。

しかし、初登録なので、緑ランクからです。

経験を積むと、すぐ赤ランクになります。

青と黄色はスキップできます。


(菊池 凪沙)

分かりました、ありがとうございます。



すると……


(冒険者:男)

おい、新人、うちのパーティーに入れてやるよ。


(菊池 凪沙)

いや、遠慮します。

なんというか、身分証明書代わりみたいなもんですから。

自信がついたら冒険者やります。


(冒険者:女)

じゃあ、うちのパーティーに入りな。

色々、エロエロ教えてやるよ、子猫ちゃん(ニヤッ)


(菊池 凪沙)

はい、お姉様♡(照)



ゴン!

さっきの男冒険者がテーブルで頭を打った。


(冒険者:男)

お、お前……


(菊池 凪沙)

むさいオッサンの誘いは断るが、お姉様のお誘いは断らないのが常識やん。


(冒険者:男)

なんでだよ!


(菊池 凪沙)

バリネコだから(照)


(冒険者:男)

いきなり凄ぇ〜事、ぶっ込んできたな(汗)


(冒険者:女)

バリネコねぇ〜(ニヤッ)


(菊池 凪沙)

はい、お姉様♡(照)


(冒険者:男装)

気に入った、オレ達にま・か・せ・ろ♡(ニヤッ)


(菊池 凪沙)

はい、よろしくお願いします♡


(冒険者:男)

お前、知らねぇ〜ぞ(冷汗)


(菊池 凪沙)

なんで?


(冒険者:男)

いや、いい(滝汗)


(冒険者:女)

まぁ、オッサンは放っておいて、行くか(ニヤリ)


(冒険者:男装)

オレ達は拠点、持ってるからな(ニヤリ)


(冒険者:男の娘)

じゃあ、行くわよ(ニヤリ)


(菊池 凪沙)

はーい♡



女冒険者パーティー?と一緒に出て行く凪沙。


(冒険者:男)

おい、大丈夫か?


(ギルド受付:女)

王都でも一、二を争うドSバリタチパーティーですからね……



そんな事を言われてるとは全く思っていない凪沙だった。

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