はざまのとき【カクヨム短歌賞10首連作部門】

西しまこ

狭間の情景や気持ち

長袖で出かけてみればあの人の素肌の腕が眩しく見える


紫陽花の小さな花が白く咲く、一つ二つと。色思うわたし


背が伸びて見下ろす人の「急いで!」にイラつきながらお弁当しまう


「バイバイ!」の後振り返る。夕暮れに街吞み込まれ「あの子はどこなの?」


目が醒めてまた目をつむる。かすれゆく解けない数式、夢の残滓よ


「ごめん今日行けなくなった」さみしさのない文言にさみしくて泣く


さらさらとシーツなぞって落ちて行く 今日と明日をごちゃ混ぜにして


眠れずに布団の中で漫画読む。0時だまずい早く寝なくちゃ


カーテンを開けると夜が残ってて 星ぼし朝に吸い込まれてく


目が合った。気づくと隣にいたりして。触れる指先、わたし呼ぶ声


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はざまのとき【カクヨム短歌賞10首連作部門】 西しまこ @nishi-shima

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