クーデレ美少女幼馴染が俺の家を自分の家だと言い張って、居座ってくるのですが。

しずり

第1話 庭に幼馴染


 部活から帰ってきたら、庭に幼馴染がいた。意味が分からない。


白瀬しらせ、そこでなにやってるんだ?」

「……雑草取り」

「頼んでねえよ?」


 白瀬しらせ玲菜れな。俺の幼馴染だ。ストレートの長い白髪を下ろし、澄んだ赤眼でこちらを見てくる。


 警察に通報するべきか?


 いや、手錠かけられた玲菜の姿など見たくない。


 でも、どうしたら幼馴染が退いてくれるのか、俺は真剣に考えた。


 ――結果、なにも思いつかなかった。


 というわけで、家の中に入ろう。


 ガチャリ。


「…………」


 無言の幼馴染。


 すぐに彼女はインターホンを押した。孤独に耐えられなかったのだろう。


『なんで無視するの?』

『無視してないんだが』

『か弱い女の子が寒空の下、草むしりしててなんとも思わないの?』


 いや、なんとも思わないことはないだろう。俺はさっきから、早く自分の家に帰って欲しい、と切に願っている。


『――早く帰れ』

『ここ、私の家』


 はあぁ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る