第3話

「おいおい、椿ー!!なんだそのザマはぁっ」


「ハハハッ!!」


「まだまだだねぇ、椿」


「うるっせぇ!!このっ!!」



“死桜”の仲間に笑われ、激昂したバキが


あ、バキとは椿のことである。


掴みかかってくるが……


こやつ、三馬鹿並みのバカなんだろうか……



ヒューンッ!!


バチーーンッ!!



「痛えぇっ!!」


「!?」



再び飛んでくる矢。


今度はバキの顎に命中。


本当に凄いぞ!!


影の者山崎くん!!


しかしだな、影の者山崎くん!!


あたしも危っ危なかったぞ!!


頭すれすれ、少々掠ってぞ!?



あたしは、影の者山崎くんが居るであろう場所を見る。



「「「ブァーッハッハッハッ!!」」」


「笑うんじゃねぇよっ」



二度目の矢にこの場にいる人達が沸き上がり爆笑する。


さて。


あたしはバキと遊ぶためにここに来たのではない。


矢が掠った頭を撫でながら進もうとした……その時



「なぁーにを騒いどんねん。ハニーが生理痛で苦しんどる、静かにせぇや」


「……。死にたい奴からかかってこい」



妙にシリアスな拓実と姉御が現れた。



「姉御ーーっ!!」


「「!?」」



あたしダッシュ!!



「ハイジ!?」



いや、ハイネな!!



「チビ子!?……ぐふっ!?」



目を白黒させる姉御に抱きついた。


いつもはガッチリと受け止めてくれるのに、今日はよろつく姉御。


それをしっかり支える拓実。



「いや、それは抱きついたとは言わへんで。タックルや、タックル」


「そうとも言う」


「そうとしか言わんわ」


「ぬん?」



ケタケタ笑った拓実にツッコまれた。



「チ〜ビ〜子〜」


「!?」

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