第2話やったるで!!

ハイネside


あたしは弱いー。


“あの時”……本当に思った。


皆にいっぱい迷惑をかけた、皆に怪我をさせた。


全部、全部、あたしが弱かったからー。


だからーー



「チビ姫だ……」


「なんでチビ姫が……」


「一人か?姫が一人で……」


「声かけろよ」


「やだよ、あの保護者たちめっちゃ怖いしよー」



遠巻き!!


めっちゃ遠巻きで見られとる!!


話しかけてくれて良いんだよ!!


むしろ、話しかけてくれよー!!



「「「「…………」」」」



無言。



「あ」


「何しに来た……。チンチクリン」


「おっ」



おおっ、知り合い!!


知り合いに出会えた……ぞ?



「チンチクリン……?」



誰がだ?


辺りをキョロキョロしていたら、一人の男があたしの前に立った。


めっちゃ嫌そうな顔のその男は……


四堂椿。


“死桜”の姫、四堂櫻子……姉御の弟である。


そう、あたしは今、ある目的のために“死桜”の溜まり場に来ていた。


一人でかって?


否……



「キョロキョロするな。お前だよ、お前」


「ぬん?」



あいも変わらずこの男。



「チンチクリンなんか見て気分が悪ぃ、さっさと帰」


「影の者山崎くん、出番だ」


「……」



ヒューーンッ!!



「あ?なんの音」



バチーーンッ!!



「ハァァアアアッ!?つか痛ぇえええええっ!!」



どこからともなくオモチャの矢が飛んできて、椿の右頬に見事に張り付いた。


おおーーっ!!


凄い、凄いぞ、影の者山崎くん!!



そうあたしには影の者山崎くんが、影ながら付いて来てくれているのだ!!

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