すばらしい作品でした
- ★★ Very Good!!
この作品のヒロインはどれも魅力的でした
その三人の主人公に対する思いはかなり強いものでした
高嶺の花と呼ばれる幼馴染の香織は主人公である葵が自分の影響力のせいで虐められてるのを知ってなんとか子供ながらに解決しようと周りが傍観者に徹してる中、ただ一人解決に動きます。
しかし先生や親に報告っしても当事者を窘めても、自分が動いたことでさらに悪化してしまいます。
更には葵から「二度と喋りかけないでくれ」とか「一緒に居たくない」と思われてる始末.。
そこで彼女が考えたのは高校では学校での葵との接触を断ち、代わりに周りには分け隔てなく接する。
すべては彼が悪目立ちしたり目を付けられて虐められないようにするため。
これ以上大好きな葵に嫌われて二度と喋れなくなるのを何とか阻止するために「せめて幼馴染として今まで通り家では」傍に居させて」と自分の感情(恋心)を犠牲にした。
作中コメント欄では香織が葵に寄り添わなかったと指摘する人が多かったが、そもそもこの状況では寄り添うどころか近づける環境ですらない。
自由自在に動けて置かれてる環境が違うもう一人のヒロインである霧月と比べるのは酷というものである
大好きだった主人公が自分に好意を寄せるモブたちに虐めれられてそのせいでその主人公にも避けられた、「消えてくれ」と心の中で何度も思われた。
知らないところで一生懸命虐めを止めようとしてたのはほかでもない幼馴染だけなのに。
彼女には何の罪もないのに、というかこれでは一番の「被害者」と言っていい。
素晴らしく魅力的なヒロインでしたが本当に不憫でした。
もう一人の幼馴染は日本でも有名な楽器アーティスト火野華
が、その楽器アーティストになった理由は葵、葵がいたから料理の道をあっさり捨てて興味もなかった音楽の世界に入り、指折り数えるアーティストになるほど葵への想いは強いものがあって、彼に会いたくて、彼を支えたくて音楽を始めたと言っても過言ではない。
初めて葵に想いを伝えたのがこの火野華。
作中中盤にその火野華と同じく幼馴染で、その想いは前に記したように自分の感情を犠牲にするほど火野華に負けずに強い想いを持つ香織がぶつかるシーンがある。
個人的にはここがこの作品のハイライトだったと思う。
もう一人のヒロインはこの二人と違って高校で知り合ったばかりの霧月。
彼女は幼馴染たちと違い知り合ったばかりゆえに良くも悪くも葵に対して軽く接していける立場。
誰に気を使うことなく葵と交流できるのが彼女の立ち位置
非常に母性愛が強い印象で、しばしば主人公の癒し的存在に。
友達思いで葵を等身大で好きになってくれる存在。
過去にトラウマのあるコンプレックスの塊のような主人公にとって幼馴染たちはその過去を想起させる存在ゆえ、この霧月との交流は葵にとっても救いに。
それぞれの想いが交差して織りなす恋愛模様は非常に魅力的でした
ただ主人公のトラウマは最後まで払しょくできず香織に対する理不尽とも思える「忌避感」が最後まで払しょくしきれなかったのが残念だった。
主人公の成長には香織との「わだかまり」の完全粉砕は必須だと思う
それを完全払しょくしてからそれぞれの恋路に入ってほしかったなというのが感想です。
『※あとコメント欄は見ずに純粋に物語を楽しむのをお勧めします
一部、幼馴染に対してのヘイトが酷すぎます。
幼馴染を推してる読者もいる、という当たり前のことも解らずその配慮のかけらもない(「さっさと引っ越ししろ」「葵に絡むな」「吐き気がする」など)大人とは思えない内容のコメントを書き込むユーザーがいて残念過ぎました。