第7章 ー飛悠sideー
「最近…玲那ちゃん来ないね」
同僚のホストがふと口にした
飛悠はグラスを拭きながら、軽く肩をすくめる
「まぁ…そういう時もあるだろ」
「常連になりそうだったのに」
「学生だしな」
あくまで軽く流す
いつもの自分なら、それで何も思わないはずだった
だけど──
グラスに映る自分の顔を見ながら
わずかに胸の奥がざわついてた
──あいつ、今なにしてんだろうな
別に特別扱いしてたわけじゃない
他の客と同じ
そう思ってた
けど、気付けば
席に現れない日が続くと
少しだけ物足りなさを感じてる自分がいた
無理に甘えてくるわけでもなく
わがまま言うわけでもなく
静かに隣に座るあの距離感
あの絶妙な”間”が、妙に心に残っていた
──いや、仕事だろ
自分に言い聞かせるように
もう一度グラスを拭き上げる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます