第2話
着物の帯が
するりと抜かれて
氷がぽとん…と
落ちた、気がした。
婦人「何だか
少し
むず痒いの」
本当には
私はまだ
立ってさえ居なかったが、
視線ばかりは婦人の首筋へ
釘付けであった。
私「気のせいじゃ
ありませんかね」
誤魔化しようが無い
胸の浮腫を
見抜かれた気がして
居心地が悪い。
婦人「ねえ、
あなたって
お紅茶
苦手だったかしら?」
鼻声である事に
気付く。
私「ええ…
どちらかというと
珈琲ですね」
婦人が御盆に置いた飲物を
運んで来るタイミングで、
風邪ですか、と尋ねた。
ふわり鳴るところ @Bonjoul
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