13 勉強会②
碧「どこかわからない問題ある?」
早乙女「はーい!、この問題は?」
碧「それ学校でやるの多分だけど数ヶ月は後よ?」
早乙女「いいじゃん予習しとくくらい!」
予習のしすぎは逆によくないと思うんだけど…
葵(まぁ流石は天才だな、何か苦手な教科はあるのかな?)
葵の素朴な疑問に、碧は聞いてみることにした。
碧「ねぇ早乙女さん、何か苦手な教科はあるの?」
早乙女「百合でいいよ、そうだねー、社会科全般はそこまで得意じゃないかも、時事問題とか最後に何問か出されてるテストあるけど、あーいうのは全然わかんない、あんまりニュースも見ないし」
なるほど、
葵(確かに地理とかはめんどいよな、地名とか興味もクソもないし、歴史と公民とかの授業が覚えゲーだったから行ける、ま、苦手な教科も90点は余裕で超えてたけど)
それは苦手な教科って言うのかしら?、大体なんでもできるで良いんじゃない?
(比較的苦手ってだけ、点が取れないわけじゃない)
…一旦放っておこう
碧「加賀さんは、できない教科とかある?」
加賀「あ、私ですか!?、私は…英語が苦手です、数学もできないところが少し」
碧「そこのところは重点的に教えるわ、なんでも聞いて」
そう言って、大体一時間ほど勉強しただろうか、そんな時に百合が口をこぼした。
早乙女「はー…もー無理、一旦休憩しよ〜」
碧「そろそろ良い頃ね、ちょっと休みましょうか」
言い切る前にスマホで何かを覗き込んでいる。すると、
早乙女「うわ、怖いお話が回って来てるよー」
加賀「どうしたの?」
話を聞いてみると、どうやらまた高校生が誘拐されたらしい。ここ数年で、学生のうちにお金を稼いでいる人が相次いで誘拐されると言うことが起きている。その事件の起こった範囲は全国に広まっていて、警察は、同一、また模倣犯の可能性もあるとして調査を進めている、とのことだ。
葵「最近多くないかしら?」
早乙女「そうだよね!、私とか怖いんだけど!」
なんでこんなに多いんだろう…
葵(もしかしたら、お金を稼いでる人のリスト、個人情報などをまとめたものが、裏社会で出回っている?、て、俺も怖いから自分で調査したことがあるんだけどさ、それらしきものが出回っている可能性が高そうなんだよね)
碧「怖い世の中よね、本当に」
学生がお金を稼ぐようになる。でも、それらを守り抜く、自分の身を守る力がついているわけではない。大人から見てみれば、学生なんてまだまだひよっこのガキなんだろう。大人は意地汚い。
葵(だからこそ、自己防衛ってのが大事なのよ)
碧は、改めて、自分と、そして大切な友達を守れるように頑張ろうと決意するのだった。
碧「ま、そろそろ休憩時間は終わりでいいかしら?、さっきの続きを進めていきましょ」
早乙女「はーい」
その後、晩御飯前の時間になるまで、この勉強会は続いた。
〜〜〜
夜中一時。今日も研究室で新たな試作品を作って、それの効果を試しているところだ(碧はもう寝ている)
「…いくつか護身用のアイテムは作ってあるんだけど…全部手塞がれたらどうにもならないんだよなぁ…」
・アメリカの警官が携帯してそうな、テーザー銃のような見た目をした護身銃。
・周囲に危険を察知すると、頭の中に(うるさくない程度に)警報が鳴り響くアラートシステム(常時展開)
・身に危険が迫っている時に、ワンタップで周囲に見えない壁が展開され、相手は自分に触れられなくなるようにするボタン
それぞれ細かい仕様はあるものの、長くなるためここでは割愛。
「全自動で発動して、制圧出来るものが作れればいいんだけど…誤作動起こしたらたまったもんじゃないからなぁ…あ、いい事思いついた、今日は徹夜で作業だな」
その後も、葵は延々と作業を続け、終わる頃には、朝日が昇っているのだった…
〜〜〜
碧「…あんたバカじゃない???」
葵(仕方ないだろ作りたいものがあったんだから…俺は寝る、それじゃ)
その皺寄せは全て碧の方に行くわけで…面倒なことが起きなければいいなと、そう思った。
早乙女「ふわぁ…おはよぉ」
葵「早乙女さん、今日は遅かったわね」
早乙女「昨日はずっと遅くまでコード打ってたんだけど…バグがなかなか治ってくれなくて…デバッグ作業してたらこんな時間に…」
碧「………」
まるで、今朝のどっかのだれかさんのようだ。
碧「ちゃんと授業聞けないと大変よ?、もうテスト近いんだから」
早乙女「わかってるわかってる〜、悪い点は取らないからさ〜」
本当に大丈夫かしら…と、心の底から早乙女さんを心配する碧なのであった。
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あとがき
はい、このお話では、勉強を一緒にする傍ら、巷で起きてる闇の深い事件に関する話題に触れたところであります。
一応第一章終わりです。
第二章は一気にシリアス展開に入っていくのでお見知り置きを。
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