のうみそ

樋川

白痴

高校に入学してから五日経ち、私は一人早朝の教室に佇んでいました。私はこの早朝の教室を愛しています。ただ、廊下から聞こえてくる不快な鳥の囀りだけが癪に触りました。

一人、女子生徒が入室しました。女子生徒?ああ、確かに性別は女ではありますが、年頃特有の化粧、髪結い、短いスカートなどはなく、度々私に恐怖を与えた女の属性ではなく、彼女に知性も感じません。いや、今まで出会った女の殆どに知性を感じたことはありませんが、それ以上に(嫌な書き方をしますが、女性批判では決してなく、私には女に対する良い思い出がないのです)彼女に対して気違いな気質を感じました。

彼女は鞄を置くと、私の制服姿を褒めました。その褒め言葉さえも私を不快にさせました。会話を重ねると、彼女がデイサービスに通っていることを理解しました。別に、デイサービスに通うこと自体は何とも思いはしませんが、あまりに普通の様にデイサービスを「デイ」と略すものだから、私は驚きました。いえ、何も思いませんでした。

なぜこんなに私が彼女に不快感を表すかというのも、同族嫌悪かもしれません。私が女に対して良い思い出がないと書いたのも、私に知性がないせいで、相手と険悪になってしまったからなのです。彼女が、普通のようにデイサービスという話題を出すものですから、デイサービスが発達支援ということを知らないものですから、話の節々に頭の悪さをだすものですから、私の必死に賢ぶった生活を否定された気持ちになるのです。

しかし、私は彼女と共に学生生活をすることになりました。

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