死という美徳

死

生きるという美徳は

生きているから感じる美徳だ

逆に

生きるという美徳が

ずっとあるから生きてきたのだ

ならば

生きていないものたちも

生きないという美徳を

感じているのか

石や土や水、空気

ありとあらゆる

生かざるものたちよ

死しとし死すれるものたちよ

君たちは何を知っている

過去そして現在に至るまで

自然選択により

生きとし生けるものたちは

生きることを目的に向かってきた

ならば

生きていないものたちも

生きないことを目的に向かってきたのか

生と死は

始まりと終わりではない

石や土や水、空気

虫や犬や魚、人間

皆同じ歩幅で世界を進んできた兄弟であり

常に共に歩まねばならない自分自身てある

我々はずっとひとつだったのだ

我々はずっと一緒だったのだ