朝の駅。けれど、そこに詰まった日常と、ときめき。すれ違う視線、伝えられない想い。彼女の目線、彼の目線――ふたつの語りが重なるだけで、どうしてこんなにも、切なくて、あたたかい気持ちになるんだろう。特別じゃない。だけど、確かに愛おしい。そんな「青春の一瞬」を、そっとファインダー越しに覗いたような物語です。誰かを、ほんの少しだけ好きだった――あの頃に、気持ちを持ってゆかれる、そんな優しい物語です。