魔族と魔王
魔族と魔王というと、なろう系異世界ファンタジーの定番ですね。魔王はともかく、魔族というのは国産の独特の表現なんじゃないかなと思います。なんだかよくわからない伏せたカードの種族を『魔族』と呼ぶことが多いような気もします。
ほら、『魔族』って言われてもなんだかよくわからないじゃないですか。明確に『魔族』と呼ばれてイメージできるのは、せいぜい『ドラゴンボール』のピッコロ大魔王の生み出した配下くらいじゃないかと思います。個人的に魔族と言われてもピッコロ大魔王の配下くらいにしか思えないので、『魔族』って言葉は今まで忌避してきました。『魔界』も同じく。
海外なんかの場合、シンプルにデーモンって表現が多いですね。異界・異教の神をデーモンと一括りにするのは実にキリスト教的です。デーモンというのは、もともとギリシャ語のダイモーンが語源だと思います。精霊ってやつですね。霊的な超越した存在をダイモーンと呼んでいたわけです。
対してデヴィルというのは、内輪の中での裏切り者という印象です。神を裏切った天使なんかが堕ちたものがデヴィルってやつですね。
魔族(デオフォル)
拙作の中で魔族というと、時にデオフォルと呼ばれていますが、デオフォルとはデヴィルの古い呼び方です。その存在はある種の神性を備えているのが特徴で、本体は異界にあります。そのため、現実の物質界(マテリアルプレーン)で死んだとしても、元の世界へ帰るだけです。
神性を備えていることもあり、本来は神様であったデオフォルも居ます。つまり、堕神(テオフェル)でもあるわけで、テオフェル(造語:theo + fel)からデオフォルへと言葉が変化したものです。
『王子の私の~』では異界の神エストゼワゼル、エルフの女王エルラ、死の神オルクス、嫉妬の神ナホバレクを始めとして多くのデオフォルが登場します。『死鎧の騎士』では白蛇の神バルボロや何人もの死神などの下級神に混じって、雨と農耕の神ゼブルが登場します。古代オリエントの神、バアル(ベルゼブブ)ですね。
魔王(ダイナスト)
デオフォルは本体が異界にあることもあって、物質界ではその力の何割かしか発揮できません。加えて『魔王』という存在がその力を縛り付け、さらに僅かの力しか使えないようにされていました。その辺の詳しい話は『死鎧の騎士』の終盤で語られています。
魔王は常に何人か存在していたわけですが、魔王が全て討たれてしまうとデオフォルの力は解放されてしまいます。それが『勇者のオレの~』の話の中で語られたような世紀末の世界です。
『勇者のオレの~』の世界ではデオフォル一体一体が正に神のような力を持ち、魔王に統制されないとはいえ人間の住む領域を脅かすわけです。実際に戦っている主人公のロスタルにしかその強さが理解できないはずでしたが、ロスタルもまた神の力を得てしまったので、程度の差が正確に測れていません。ちょっと大変だな――くらいの。
『かみさまなんてことを』世界設定 あんぜ @anze
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