第46話 連れション

 教室に入った私は目を疑った。



 中庭側半分が女子。

 廊下側半分が男子。

 こんな席順ってある?


 わたしは担任の女の先生、辻野先生に一番後ろの席に座るように言われた。


 夏休みの期間「特攻の拓」を読んでいた影響もあって、後ろの席に行くまでに足を引っ掛けてくるやつがいるかもしれないと思い、下を向いて歩いていた。

 が、なにもなかった。


 ただ、教室自体がそんな雰囲気を漂わせていた。



 授業が始まった。

 まだ、何人かの生徒は戻って来ていない。


 さっきの辻野先生の国語の授業が始まった。

 私の席は後ろだったから教室の状況がよく解る。


 ガム噛んでる人、ジュース飲んでる人、ゲームボーイをしてる人、雑誌を読んでる人、机を合わせてトランプや、UNOをしている人。

 または、寝てる人。

 男子で授業を聞いてノートをとってる人は長谷川君だけだった。


『なんじゃ!?この学校は!!』

 まるで70年代か80年代にタイムスリップしたような学校だった。


 元々、サボり癖のある私には都合がよかったが、この光景は四條畷西中学校じゃ考えられなかった。


 私は、話し相手もいなかったから授業中も休み時間も関係なく寝た。

 寝て…寝て…寝続けた。


 結局、1日中寝て学校を過ごした。


 2日目だった。


 よく、先輩にパシリに行かされていた下野君…通称、渉。


 その渉が、私に話かけてきた。

「なぁ、おまえいっつも寝てんなぁ。寝るん遅いんか?」


 いきなり話しかけられてびっくりしたが、

「いや、やることないしなぁ。」

 と、私は答えた。

 渉は、

「次の休み時間便所行こうぜ。」

 と、私を誘ったので、連れション?と思いながらも

「いいよ!」

 と、答えた。


 この連れションも私の人生のひとつの分岐点だったのかもしれない。



 連れションで人生変わりません……笑


(-.-;)はぁ…ペンペン。

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