第45話 ピューマ?プーマ?

 私たちは近鉄八戸ノ里駅に着いた。


 私は見慣れない風景に胸を踊らせながら駅までの道を歩いた。




 学園からは小遣いが出ていて、中2だった私は1ヶ月1200円だった。学年で小遣いは決まっていた。

 小遣いを使ったら、小遣い帳に使った分をいちいち書かなければならなかった。


 持っていたら持っていた分だけ使ってしまう私は、この日、ジュースとか本とか買って、残り70円になってしまった…(笑)


 田中君は

「ジャージ見たいからココ行こうや。」と、言って私と尾崎君は田中君についていき、百貨店に入った。


 紳士服売場のジャージとか売っているトコに向かった。

 と、ココでオーマイゴッド

(NACK5ラジオパーソナリティの鈴木ケイザブロウさん風に…って誰が知ってる笑)

 田中君は豹というか、チーターというか、あのマークを見て

「あ…これってピューマーちゃうん?」某スポーツメーカーを見て田中君が言った。

 すかさず尾崎君がつっこんだ。

「アホか…。プーマちゃうんか?このマーク見てみ!ピューって走ってるみたいやけどプーいうて走ってんねん。だからプーマやねん。」

 と、訳の解らない説明まで加えていた。

 田中君は

「ずっと、ピューマかと思っとった」と、笑っていた。


 田中君は、少しポッチャリしていて、喧嘩も意外に強く、チャゲアスが好きで歌わすと飛鳥になりきる。

 更に、勉強もできるやつだった。(勉強できるのにピューマ笑)

 尾崎君は、いい加減が態度に出たような雰囲気で、勉強のべの字も興味がない。サッカーが上手くて顔も最近ではどう言うのか知らないけどジャニーズ系のイケメンだった。


 私は、そんな2人と仲良くなったことで学園生活も楽しくなった。



 とうとう、夏休みも終わり学校が始まった。

 学園の子は、最寄りの幼、小、中と通うことになっていた。

 私は、東大阪市立意岐部中学校に転校した。


 学園の河野先生と学校に行き、

「先生、真面目なクラスにしてくれましたか?一番真面目なクラスに入れて下さい。」

 と、河野先生が学校の先生に言っていた。

「はい。3組が一番成績もよくて、学年の中では真面目な子が多いクラスですから、雨夜君は3組ですよ。」



 それから、先生に案内され3組の教室に向かった。


 3組は、一階にあって、中庭に面している。

 校門も一番近かった。



 教室に入った私は、その真面目なクラスに目を疑った…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る