第42話 公徳学園
一時保護所に新しく入って来た人がいた。
とおる君という1つ年上の子だ。
とおる君は細身の身体ながらもリーゼントでキメていて、かなりのツッパリだった。
私と竜君は、かなりビビってしまい金魚の糞みたいにいつも一緒にいるようになった。
とおる君はシンナーで補導されたらしい。
食事の時間に一悶着あった。
食事には毎回、牛乳が出る。
学校の給食と同じようなもんだ。とおる君は牛乳が大嫌いだったから飲まないでいた。
すると、
「牛乳飲まなあかんよ!」
と職員がとおる君に言った。
とおる君は
「こんなまずいもん、飲めるかぃ!!」
と、とおる君は怒鳴りながらテーブルの上にあったものを手で払い飛ばしてひっくり返してしまった。
「コラ!とおる!」
と職員が声を荒げた。
とおる君は
「ホンマ、たいがいムカつくのぉ~。」
と、言って牛乳瓶を投げ付けて部屋に入って行った。
私と竜君はよく、とおる君に言われていた。
「俺の連れ来たらヤバいぞ。おまえらみたいな中途半端なやつやと、パシリにされるぞ。学校でも便器に顔押し付けられたやつおるし目茶苦茶やる奴やからなぁ。」
そんなことを聞かされていたので私たちは媚びていたほうが身のためだと言い聞かせていた。
そして、更に、私が出所する2日前、凄い男の子が入ってきた。
当時、まだ、150cmくらいしかなかった私だから、山のように見えた。
背が高くて、これまた立派なリーゼント
これで14歳?みたいな…。
とおる君と揉めるかなぁ?と思っていたけど意外に仲良くなっていたみたいだった。
新しく入ってきた人は暴走族に入っているらしかった。
そして、いよいよ私の行く施設が決まった。一時保護所で時々、可愛がっていた小2の健太も同じ施設に行くことになっていた。
『公徳学園』
名前を聞いた時、とうとう、私も出家しなければならないのか…誤解していた。
寺かなんかと、思っていた。
恐らく、週間チャンピオンでやっていたクローズの影響だと思う笑
鳳仙学園と公徳学園がごっちゃになっていた。
そう、この公徳学園での生活、出逢いが私の2回目の人生の分岐点になったのだ
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