(未定)

颯風 こゆき

第1話 始まり

あぁ・・・どうしよう・・・どうして・・・

早くあの人の元へ行かないと行けないのに・・・

あぁ・・・僕、死んでしまったの・・・?

あの人を幸せにするって・・・僕が幸せにするって約束したのに・・・

あの人が泣いてしまう・・・泣かせたくない・・・

どうして・・・・



泣かないで、僕はここにいるんだよ。

僕をまた見つめて・・・僕に笑顔を見せて・・・僕に触れて・・・

僕を見つけて・・・



僕が幸せにしたかった・・・

でも、もう君に触る事も、語りかける事もできない・・・

僕はまだここいるのに・・・違う・・・

僕はまだあの場所にいる・・・

どうして・・・・



違う・・・僕じゃない・・・

なんで僕を信じてくれないの・・・

僕のこの姿を見ても、僕を裏切り者だと罵るの・・・

あぁ・・・君が憎い

そばに入れない僕が憎い

僕をこんな風にしたお前が憎い

愛という愚かな物が憎い・・・

もう、神にすら願う事も許されない姿になってしまったけど、一つだけ許されるなら・・・少しでも神が僕を憐んでくれるのなら・・・例え君が生まれ変わったとしても、もう、二度と、君には会いたくない・・・



遠い記憶・・・遠く掠れた声・・・

もう誰の声なのか、誰に向けて言った言葉なのかも思い出せない。

その言葉を投げた者の顔も、自分の顔さえも思い出せない。

ただ・・・微かに残るのは、花の香りのような、陽だまりのような優しい香りだけ。

それさえも、日を追うごとに消え去ろうとしている・・・

全てを無くしたら・・・僕も一緒に消えてなくなるのだろうか・・・

消えてしまいたい・・・暗い奥深くへと身を投げて、誰の目にも触れず、ただ静かに何も感じないまま、消えてしまいたい・・・


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